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浮いている紅茶をひとまず別の容器へ移し

落ちたカップを拾い上げる。

混乱しているテヒョンを再び見つめた。

TH「セレナの知ってること…か」

またあの悲しそうな顔をする

でも、すぐにその理由が分かってしまった

TH「俺は…君がエデンという長寿の種族の第一王女で
この国との条約によって差し出された。

それ以外は何も、知らないよ
…本当の名前も年齢だって知らない。」

「ぁ…」

TH「へへっ、ちょっと寂しいけど良いの
何度も言うけど無理強いはしたくないから!

強制されるのは、心を殺すのと変わらない
すごく痛くて辛くて…見失っちゃうから」

なんとなくテヒョンの心の影を見た気がした。

彼が私を通して見ていたのは自分の姿なんじゃ…

そう思ったら、自然と手が伸びていた。

彼の柔らかい髪に触れる

TH「え…」

「…大丈夫よ。貴方は優しくて、とても純粋な人」

TH「セレ、ナ…?」

「…初めまして、テヒョン
私はA。エデンの第一王女で水の精霊よ」

TH「…A…水の精霊って言うのは?
君は普通の人間じゃないの…?」

「私は、ね。エデンは数百年に1度
自然が選んだ子供が生まれて来るの…それが精霊」

TH「じゃあAは水を操れるってこと、だよね
…今何歳、なの?」

「私はまだ100年も過ごしてないくらい
貴方のお父様より…上かも」

TH「えぇ?!そんなに…見えない」

「…テヒョン、いつも食事を一緒にしてくれて
ここへ連れ出してくれて、ありがとう

あの場所にいた時、貴方が毎日話し掛けてくれる事が
私の唯一の楽しみでもあったのよ。」

TH「ううん…俺がそうしたかっただけだよ」

4年半も毎日一緒に居れば、

どんなに母の教えだろうと情が湧いてしまう。

純粋な彼の瞳は、幼い子供のまま

そんなテヒョンに笑って欲しかったのだ。


「私の変わり果てた姿も見たでしょう?
本当はあの時、死に身を委ねたの…

だから、ここに来ていなかったらきっと今
私は生きていなかったと思う…」

TH「っ…」

「ありがとう、テヒョン。貴方は私の命の恩人」

TH「っ、うん…ど、いたしまし、てっ!
っ…ごめっ、嬉し、くて」

泣いてしまったテヒョンを見つめ

また少し心の中が温かくなった気がした。

TH「っ…俺の方が、ありがとうなんだよ
Aと過ごす時間は温かくて心地良くて、

俺の安らげる大切な場所になってくれた…
Aは、俺の光だよっ!」



この時の穏やかに輝いたテヒョンの笑顔を

これから先きっと忘れることはない

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リウ(プロフ) - 麻央さん» 初めまして(^ ^)お立ち寄りいただきありがとうございます。引き続きお楽しみいただけるよう頑張ります(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - ゆなさん» 初めまして(^^)たくさん読み返していただき嬉しいです。ありがとうございます。続編も出したのでそちらもぜひ宜しくお願いします(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
麻央(プロフ) - リウさま、初めまして。作品拝見しました。綺麗なタイトルに惹かれ、読み込んでいくうちに、物語の奥行きに圧倒されました。とってもあたたかく、胸が焦がれるような作品ですね。続きを楽しみにさせて頂きます^ ^ (2020年5月31日 21時) (レス) id: 9d4977984c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - はじめまして!!このお話好きすぎてもう何回も読み返しています!続編楽しみに待ってます! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 7b504efb24 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - カナタさん» ありがとうございます(^^)楽しんで頂けているようで、私も嬉しく思います。引き続き頑張りますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね。宜しくお願い致します(^^) (2020年2月21日 2時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リウ | 作成日時:2019年5月28日 6時

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