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それは突然だった。

コンコンッと扉から音がして

また食事の時間だと目も向けずに横になっていると

TH「セレナ…」

聞こえるはずのない方向からその声がして

思わず顔を向けた。

「っ…」

どうして…彼はそっと手に触れると

TH「ごめんね…ここから出よう。
もう心配しなくていいよ、俺と一緒においで」

そう言って私を抱き上げたテヒョンは

思わず顔をしかめて呟いた。

TH「ご飯、ちゃんと食べなきゃダメじゃん
こんなに細い、折れちゃうよ…」

そのまま彼に連れられ、ガラス部屋から出ると

お城の反対の位置にある小さな建物の中に入った。

そこは土と花匂いがして、小さな木がいくつかある

あの息詰まる場所とは違う温かい場所だった。


TH「とりあえず座って、食事をしよう」

椅子に座らせると、いつの間にか居た女性達が

いろんな食事を運んでくる。

TH「さぁ、食べよう!いただきまーす!」

大きな口の中に次々と入っていく食べ物。

少し驚きながらも、誰かと食事をするのも懐かしくて

目の前にあったスープを口に運んだ。

そんな私を見ていたテヒョンはにっこり笑うと

また食事の続きを始めて、気付いた時には

つられて結構食べていたと思う。

TH「あ〜お腹いっぱいだね!うちの料理人ね
ご飯はめちゃくちゃ美味しいの!

たまーに脂っこい日とかあるんだけどね!
とっても優秀なんだよ」

確かに、あの部屋で食べていた物よりも

美味しいように感じた。

TH「ねぇ、セレナ。君のこと父上から聞いたよ」

その言葉にビクッと肩が上がる。

TH「ごめんね、まさか人を鑑賞品にするなんて…
父上の代わりに俺が謝るよ、本当に、ごめんね

俺が君を預かることになったから、
これからはここで自由に過ごしていいよ。

ただ…まだ外には出してあげられないけど
ごめんね?奥の部屋が寝室で、隣が浴室だよ」

眉を下げたテヒョンの顔は、

嘘はついてるように見えないし、きっと本当に

彼があの部屋から連れ出すように動いたのだろう。

外には出れないけど、窓があり太陽も見える。

緑があって花と土の匂いもする。

あの部屋に比べたら十分すぎる程で

思わず泣きそうになった。

TH「あっ…本当に辛かったよね
閉じ込められる辛さはよく分かるよ…

セレナは強いね、よく耐えたよ」

優しく頭に触れた温もりはゆっくりと動いて

そっと髪を梳かした。


TH「改めて、俺はテヒョンだよ!
この国の王子で20歳!

はじめまして、セレナ…エデンの第一王女」

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リウ(プロフ) - 麻央さん» 初めまして(^ ^)お立ち寄りいただきありがとうございます。引き続きお楽しみいただけるよう頑張ります(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - ゆなさん» 初めまして(^^)たくさん読み返していただき嬉しいです。ありがとうございます。続編も出したのでそちらもぜひ宜しくお願いします(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
麻央(プロフ) - リウさま、初めまして。作品拝見しました。綺麗なタイトルに惹かれ、読み込んでいくうちに、物語の奥行きに圧倒されました。とってもあたたかく、胸が焦がれるような作品ですね。続きを楽しみにさせて頂きます^ ^ (2020年5月31日 21時) (レス) id: 9d4977984c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - はじめまして!!このお話好きすぎてもう何回も読み返しています!続編楽しみに待ってます! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 7b504efb24 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - カナタさん» ありがとうございます(^^)楽しんで頂けているようで、私も嬉しく思います。引き続き頑張りますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね。宜しくお願い致します(^^) (2020年2月21日 2時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リウ | 作成日時:2019年5月28日 6時

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