ウンディーネの泪

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テヒョンと名乗った子はキラキラした瞳で

私を見つめると、首を傾けた。

TH「あれ？もしかして喋れないの？
あ、言葉が通じないのかな？え〜っと…」

言葉が通じないと勘違いした後すぐに

身体をくねくねと動かして何かをし始めた。

踊っているのだろうか…？

TH「えぇーっ、無理じゃない？！
身体で言葉を表現するなんて無理じゃない？！

まぁ分かんなくてもいいや！」


結局何がしたかったのかよく分からないまま

黙って彼を見ていると、またこっちをジッと見つめ

TH「俺はこの城の王子だよ！歳は20！
君は何処から来たの？…あ、喋れないんだった。

いつも1人で居るの？…そっかぁ！
じゃあ、これから俺がここに来てあげる

今俺ねジミンから逃げて来たの！
あ、ジミンって俺の友達で護衛なんだけど、

毎日勉強しろってほんとにうるさいの
そしたら、ここ開いてたから！」

ジミン…あぁ、あの男か。

そしてテヒョン…いつの日か彼が言っていたのは

あなたの事だったのね…

TH「本当は入ったらダメなんだけど、
隠れる場所ないから来ちゃった！

だから、君も内緒にしてね！って、
喋れないから大丈夫か！ひひっ」

楽しそうに笑う彼に胸が軋んだ。

最後に笑ったのはいつだったか…

JM「テヒョン様〜！どこに行ったんだよ、もう！」

TH「やばっ、ジミンが来た！内緒だよっ内緒！」

そう言って指を口に押し当てて笑うと

近くにある石像の影に隠れたテヒョン。

コツコツと歩く音は、目の前で止まった。

久々に見た彼は少しだけ精悍な顔つきになって

あの頃と変わらない冷たい瞳で私を見ていた。

JM「…もう会わないと思っていたけど、
あれから4年も経っているのに。

本当に何も変わらないんだね。その顔も背も…
あぁ、あんたと話しに来たわけじゃないから。」

そう言って目を逸らすと辺りを見回して

一点を見つめた後、ため息をついた。

JM「そこに居るのは分かってますからね？
それと、ここに入ってはダメですよ！」

あっという間に捕まったテヒョン。

TH「げぇ〜！なんで分かったの！？って言うか
ジミン彼女の事知ってるの？なんで！？」

JM「あ〜はいはい、それは勉強が終わってから。
行きますよ！！もう、いっつも逃げて！」

TH「わ〜離せよ！あっ、またね！！」

JM「またなんてありませんから！」

バタンと閉まった扉に、静けさが戻る。

あれから…4年経っていたなんて…

「まだ…4年か…」

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