ウンディーネの泪

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「…ここは一体」

大きな部屋の中には寝心地の良さそうなベッドや

椅子に机、本棚まで…あらゆる物が揃えられていた

ただひとつだけ、明らかに不自然なもの

そっとそれに触れてみた。

「ガラス…？」

この部屋を覆う透明の壁…その先に見えるのは

絵画や造形物が置いてある。

これは…部屋の中に部屋があるの？

JM「そう、ガラス。かなり分厚くなってるから
割ろうと思っても無理だよ。

そして、今日からここがあんたの部屋。
食事は3食決まった時間に運ばせるし、

入浴や厠に行く時は、外に立ってる兵士に言えば
連れて行くから声かけて。」

「ま、待って。それじゃあ…」

JM「言ったでしょ、献上品だって。
観賞する為にガラスの部屋になってんの。

あんたは一生ここで飼われるんだよ」

「…っ、そんなっ！外に出しては」

JM「そんなの無理に決まってるじゃん
あんたも力使えるんでしょ？

自由にさせたら何するか分かんないし
まあ、食事も出るし生きていけるから安心しなよ

じゃあ、もう会う事は無いと思うから。
その格好似合ってると思うよ」

「あっ、待って！」

伸ばした手も虚しく扉は閉まり

ガチャっと鍵の閉まる音がした。

「そんな…こんな場所で一生を終えろというの」



その場に座り込んで周りを見渡す

置物ばかりで誰もいない場所に一人きり。

私たちの寿命は1000年と言われている…

まだ100年も生きていない私がここで生きるのは

きっと地獄のような時間になるだろう。

固く覆われた異物の中に閉じ込められ

淀んだ空気に気分が悪くなり

ここに来ると決めた事を後悔しながら

布団の上で涙を流した。






あれからどれほど月日が流れたか分からず、

朝か夜かも分からないこの空間。

度々、王が足を運び私が居るこの部屋を眺めては

満足そうに笑い部屋を出て行く日々の繰り返し

ここは自然のものが無くて、息がつまる。

何もする気も起きないし、する事もない

本当に生きて死んだような日々だった。

その日も変わらず、眠たくなるまで

ただ座ってボーッと過ごしていた。

また今日もその扉は開いて、

王が見物しに来たのだろうと思っていた。


？「ねぇ…ねぇってば！そこの君！！」

違う声がして顔を上げると、見ない顔の男の子が

こちらに向かって手を振っていた。

？「そう！君！ねぇ、こっちに来て！！」

「…」

ゆっくりと立ち上がり、その子の前に立つ

?「わぁ…君とっても綺麗だね！
あ、俺はテヒョンだよ！君は？」

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