君をさがしてた。～pastel days～ (ページ24)

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-ver.veil green- 3 ページ24

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なんで言ってくれなかったの、と少しだけ落ち込んだ様子のAの頭を撫でる。

哲也「ごめんね？A最近色々大変そうだったから、これ以上心配とかさせたくなくてさ」

Aに関する週刊誌が出た丁度その頃から、彼女との別れ話が進んでた。
きっとAの事だから、不器用なりに俺の支えになろうとしてくれただろう、例え自分がどんなに大変な状況でも身近な人を見捨てない。この子はそうゆう子である。

だからこそ、言えなかった。

「さみしい…」

哲也「、そっか、じゃあ抱きしめてあげようか？」

「なんでそうなるの。スケベ。」

ムスッとした顔で俺から少し距離を取るA。
そんな彼女を追いかけるように距離を詰めてギューっと抱きしめた。

「いやぁーっ、離してぇ」

哲也「やだー」

腕の中で暴れる、血はつながってないけど、俺の可愛い妹。

哲也「…で、俺とデートしたいんだっけ？」

「で、デートじゃないもん！」

哲也「じゃあなに？」

「…付き添い？」

哲也「なんかやだなあそれ笑」

少しも甘い雰囲気にならなそうじゃんそれ。
まあ、妹と言っておきながらこんな考えしてちゃダメなのかもしんないけど。

「…はやく準備してよー」

哲也「えー、もうちょっとこうしてようよ」

「むー、苦しいよぉ」

哲也「だって独り身になっちゃって人肌恋しいんだもん。もうちょっとだけ、ね？」

「……」

あはは、黙っちゃった。
大人しくなったAの身体をひょいっと持ち上げるように自分の膝の上に引き寄せて、もう一回ギュッとしてやる。

彼女と別れてから、暫くご遠慮してた女の子独特の抱き心地はやっぱりたまらない。
しかもそれがAってところが、尚更いいなって。

普段は結構ズバズバ言うくせに、ちょっと弱味に漬け込むと途端に従順になる感じが凄くソソるんだよね。

哲也(Aじゃなかったら、このままいただいてたなぁ)

朝のこの清々しい空気の中で俺がこんなこと考えてるなんて Aは思いもしないのだろう。
安心した様子で俺の首の辺りに頭を寄せてゆっくり呼吸している。

哲也(いっその事食べちゃおっかな)

何度そう思ったかわからない。
でもAKIRAや亜嵐に本気で殺されそうだから実行に移したことはないけど。

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