Shout Baby *11 ページ11
頭と心に忍び寄ってきた灰色の靄みたいなものを振り払いながら、先生の横に座る。
先生はベッドに座ってずっとゲームしてる。
私が横に座っても、顔もこっちに向けないの。
どんだけゲーム好きなんだろ(苦笑)
私は先生の右肩に頭を軽くもたれさせる。
コントローラーを動かす指先の動きが微かに腕を通って、私の頭に伝ってくる。
先生。
こっち見て。
それが伝わったのかどうか、単にステージクリアしただけだろうけど、先生はセーブの作業が済むとコントローラーを床に置いて、そのまま私を抱きしめながらベッドへ押し倒した。
顔が近づいて。
唇が触れて。
指がTシャツの中に入ってくる。
私は先生の背中を抱きしめる。
・・・・・・何回目かな、これで。
最初の頃は嬉しくて数えてて。
携帯のカレンダーにハートのマーク付けてた。
初めて先生の家に泊まった時は、思いつく可愛い記号全部使ってその日を埋め尽くした。
「・・・・・・んっ、・・・ﾊｧ・・・先生・・・・？」
気持ちよさに頭と体が支配されそうになるのを本能が止めようとしたのか、私はこんな状況でさっきの歯ブラシのことを先生に聞こうとした。
でも。
先生が私を見て。
目を見つめて。
唇を塞がれたら、もう何も考えられなくなってしまった。
その目はやっぱり
『誰にも内緒な。』
って言ってるみたいだった。
「────先生？」
終わって、もう寝ようと二人で布団に潜り込んでる時、私は先生に話しかけた。
「・・・・・・ん？」
「あの黄色の歯ブラシ、誰の？」
ビックリするくらい、躊躇なく訊いた自分がいた。
先生は少し間があってから
「あー・・・・この前母親が同窓会とかで東京に出てきて、ここに泊まったんだよね。で、そのまま置いてった(笑)」
「先生、どこ出身なの？」
「仙台。」
「そーなんだ、知らなかったー。・・・・お母さんに似てる？先生。」
「まぁ、周りからはそう言われる(苦笑) 自分じゃそんなこと思ったことないけど。」
「ふーん(笑)」
「さ、もー寝るぞ。明日も普通にガッコあるんだからな。」
「うん、オヤスミ。」
真っ暗な部屋の中、窓から青い光がぼんやりと差し込んでる。
──────ウソツキ。
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羊羽(プロフ) - ebi信号さん» "フルカラー"に反応してくれてあざます(笑) それは明らかにあちらの曲のラッキー副作用です。 (2020年8月4日 18時) (
レス) id: 0745f90403 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - ebi信号さん» にのみぃ先生だけはやけにリアルに話が脳内に浮かんだんですよねー（おい）いやまぁ、曲に沿って書いたからね？別に本人がどうとかではないですよ？（牽制）映像化したら果てしなく素敵にクズ男演じてくれそうだなぁと（弁解） (2020年8月4日 18時) (レス) id: 0745f90403 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - 最後のフルカラーって言葉で、一瞬にして世界がクリアに鮮やかになるから不思議。(笑) (2020年8月4日 14時) (レス) id: 5da3552e51 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - ただ最後に名前呼んだのは、引き留めたかったのは『和花』の方だったかな、と。 どっちにしても人間らしくて、彼らしい。 てか、なんだよ、クズ男だけど、最&低のクズ男ではなかったじゃん。結局未婚って… 一途で周りが見えないｻｲｺﾊﾟｽより万倍マシ。 (2020年8月4日 14時) (レス) id: 5da3552e51 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - にのみぃ先生のお話。突然沸いた助手席のラッキーを誕生日だったらとか、頭と口が直結してる割に帰りたくないって言葉が言えないピュアな和花。『二人だけの秘密』特別感に幸せでしかない事なのに、アチラ都合の洗脳でしかなかった訳だ… うーん、最&低のクズ男だわーw (2020年8月4日 14時) (レス) id: 5da3552e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2020年4月5日 20時
