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side赤井
Aを助手席に乗せ、夜の街中を走っていく。
民家の明かりが遠くなっていく。
赤井「少しタバコ臭いかもしれんが、我慢してくれ」
車に乗り込む時に俺はそういった。
A「大丈夫!だって、それが秀一さんの匂いだもん」
Aは嬉しそうな顔をしてそういったので俺はすごく驚いた。
嫌がるだろうと思った。
これは俺の匂い…
この娘にはそんな風にとれるのか。
本当に興味深くて、面白い。
だから目が離せない。
ジョディには何度かからかわれた。
ジョディ「年頃の若い女の子を引き取る?あなたがそんなことを自らするなんて……よほどあの子に気があるのね」
気がある、とかじゃない。
ただ単に……Aから離れたくない。
それだけなんだ。
こんな気持ちは何年ぶりだろうか。
Aは滅多に泣かないが、もしかしたら俺の知らないところで泣いているのかもしれない。
そこはあいつとは違うところだな…。
だから余計ほっとけない。
この気持ちは一体何なのか。
A「秀一さん?秀一さん!」
赤井「っ!…すまない、少し考え事をしていてな」
A「あ、そうなの?」
赤井「ああ」
お前のことを考えていたなんて言えるわけがなかった。
赤井「それよりどうかしたのか?」
A「あ、うん。……あそこ」
赤井「?」
赤信号で停車する。そしてAの指さすところをみる。
そこは、
A「あそこ、工場?みたいなの……」
赤井「!」
俺とAが初めて会った、Aが殺られる予定だった場所……
あの廃工場だ。
赤井「……あそこは廃工場だが」
A「やっぱり?……よってみてもらっていい?」
赤井「!?」
A「なんか、初めてみる感じじゃないっていうか、あそこで……私……」
俺は正直ためらった。
危険すぎると判断したからだ。今のAに強い衝撃を与えるのは……。
このまま、また何かを失ってしまうのではないか。
俺は強くハンドルを握ることしか出来なかった。
A「秀一さん」
赤井「っ、……なんだ?」
A「あそこに行かせて」
赤井「…ッ………わかった。」
Aのあんな真剣な眼差しをみたら断るわけには行かなかった。
青信号になると俺たちは廃工場へと向かった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時