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◇40◇ ページ41

side赤井


Aを助手席に乗せ、夜の街中を走っていく。


民家の明かりが遠くなっていく。


赤井「少しタバコ臭いかもしれんが、我慢してくれ」

車に乗り込む時に俺はそういった。


A「大丈夫!だって、それが秀一さんの匂いだもん」


Aは嬉しそうな顔をしてそういったので俺はすごく驚いた。

嫌がるだろうと思った。

これは俺の匂い…


この娘にはそんな風にとれるのか。


本当に興味深くて、面白い。


だから目が離せない。


ジョディには何度かからかわれた。


ジョディ「年頃の若い女の子を引き取る?あなたがそんなことを自らするなんて……よほどあの子に気があるのね」


気がある、とかじゃない。


ただ単に……Aから離れたくない。


それだけなんだ。


こんな気持ちは何年ぶりだろうか。


Aは滅多に泣かないが、もしかしたら俺の知らないところで泣いているのかもしれない。


そこはあいつとは違うところだな…。


だから余計ほっとけない。


この気持ちは一体何なのか。



A「秀一さん?秀一さん!」

赤井「っ!…すまない、少し考え事をしていてな」

A「あ、そうなの?」

赤井「ああ」


お前のことを考えていたなんて言えるわけがなかった。


赤井「それよりどうかしたのか?」

A「あ、うん。……あそこ」

赤井「?」


赤信号で停車する。そしてAの指さすところをみる。


そこは、


A「あそこ、工場?みたいなの……」

赤井「!」



俺とAが初めて会った、Aが殺られる予定だった場所……


あの廃工場だ。



赤井「……あそこは廃工場だが」

A「やっぱり?……よってみてもらっていい?」

赤井「!?」

A「なんか、初めてみる感じじゃないっていうか、あそこで……私……」


俺は正直ためらった。

危険すぎると判断したからだ。今のAに強い衝撃を与えるのは……。




このまま、また何かを失ってしまうのではないか。



俺は強くハンドルを握ることしか出来なかった。




A「秀一さん」

赤井「っ、……なんだ?」

A「あそこに行かせて」

赤井「…ッ………わかった。」



Aのあんな真剣な眼差しをみたら断るわけには行かなかった。



青信号になると俺たちは廃工場へと向かった。

◇41◇→←◇39◇


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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時

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