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◇35◇ ページ36

Aは少し前、入院前に持っていたスマホを沖矢から渡してもらった。



高橋に殴られときに少しヒビが入ったりしたらしく、沖矢が預かり、阿笠博士に修復を頼んでいたのだ。



スマホはすぐに直り、データの修復も博士がやってくれたようだ。



Aは一人になった病室でスマホをいじった。



A(使い方……わからん)



渡されたはいいものの、使い方は聞かなかった。



A「明日も昴さんくるかな……?きたら聞こうっと」


そう言ってスマホを机におこうとした時だった。



《ピロン》


A「うぇ!?」


スマホにメールが届いた。


A「ん?んー?誰だ……?」


あたふたしながらメールを開く。


『使い方わかるか?』


メールはこの1行で終わっていた。


A「誰だろう……聞いてみよう……って、使い方わからん!どう返すのこれ」


悩むAの元に看護師が夕食を運びにきた。


看護師「向坂さーん、夕飯の時間ですよ」

A「あの!」

看護師「えっ?」

A「これ、メールの返信の仕方わからなくて…」

看護師「ああ、なるほど。ここを押して……」

A「ふむふむ」

看護師「それで言いたいことを打って、送信ボタンを押せばいいのよ」

A「ありがとうございます!よしっ」


悪戦苦闘しながらAはなんとかメールを送ることができた。


『わからないです、あなたはだれですか?』


漢字変換も聞けば良かったとAは少し後悔した。


するとすぐに


《ピロン》


通知音がなると急いでメールを開く。


A「だれ!?」

『沖矢昴です。使い方は明日教えます』

A「あぁ!昴さんか!」


納得納得!と嬉しそうにメールを返す。


『すばるさんだったんですねありがとうございまふ』

A「打ちにくいなぁ…早く打てるように修行しよ!」


それからAは沖矢とメールで誤字脱字を含んだ会話をしていた。



こうして、メールのやりとりはAの日課になったのだ。









沖矢「フッ)可愛いやつだな……」


沖矢はAとのメールのやり取りを終えるとどこかへ連絡した。


沖矢「来週の金曜日に退院だそうです……はい、っ、じゃあ途中までは一緒にいれると?…わかりました」


スマホを耳から離す。



そのスマホには「工藤有希子」と表示されていた。




沖矢「……何か作りますか」




そう言って台所へ向かい、お隣さんへお裾分けできるように少し多めにシチューを作るのだった。

◇36◇→←◇34◇


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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時

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