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◇20◇ ページ21

ー次の日


Aのいる病室に看護師がはいってきて、検温やら何やらを色々と済ませていく。


看護師「まだ怖い?」

A「っ、はい…」


沖矢昴には心を開けても、他の人はまだ無理みたいだ。


ビクビクと怯えながらご飯を食べている。


看護師「あ、そういえば知ってる?昨日向坂さんが通ってた高校の近くで殺人事件があったのよ」

A「え…」

看護師「犯人はまだ捕まってなくて、しかも、殺された子はあなたと同じ学年の子なのよ」


看護師は高橋奈々が殺された事をすべて打ち明けた。


A「そんな事があったんだ…」

看護師「まあでも、向坂さんはここにいる限りは安全だから。安心して過ごしてね」


そう言って部屋から出ていく看護師。



A「死んじゃったんだ……。誰かわかんないけど」



そう呟くと窓際の花を見に行く。



A「あ、」


一輪の花が枯れていた。

よく見ると周りもしなれてきている。


A「せっかく昴さんが持ってきてくれたのに…」

沖矢「呼びました?」

A「うわっ、びっくりしたぁ…」


噂をすれば沖矢昴が花を持ってやって来た。


沖矢「そろそろ枯れるころかと思い新しいのを持ってきたんですよ」

A「ありがとうございます!……今日も黒い人じゃないんですね」

沖矢「あなたに会うのに変装は必要ないのはわかってるんですが、こうしないと私自身が過ごせない立場でして。」


昨日より口調が穏やかなのは沖矢昴になっているからだろう。


A「また、黒い人になるときは?」

沖矢「そうですね、あなたが退院したら退院祝いとして、ですかね」

A「ほんとに!?」


はしゃぎながら沖矢に飛びつくA。

そんなAの視線の先は窓の外。


A「……私、外に出てみたい」

沖矢「外?」

A「外で遊んだ記憶なんてないから……。記憶があったときはきっと、外でたくさんの友達と一緒に遊んでたんだろうなって。」

沖矢「わかりました、ドライブにでも行きましょう」

A「ドライブ?」

沖矢「車に乗ってどこかへ行きましょう」

A「車?!」


記憶がないAにはどれもこれも初めてなものばかりで、気持ちが高ぶっていた。


沖矢「ですが、今はまだ危険ですから」

A「事件があったからですか?」

沖矢「話は聞いたみたいですね…」

A「看護師さんから聞きました」

沖矢「その殺された女子生徒は」


彼は細い目を開けて言った


沖矢「あなたを殴った本人です」

◇21◇→←◇19◇


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剣城萌江(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます! (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9aee53a1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - はちゃめちゃに面白かったです、、! (2020年8月7日 22時) (レス) id: bd20f305fa (このIDを非表示/違反報告)
『 』 - 面白かったです!! (2018年1月30日 23時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
剣城萌江(プロフ) - 夢羽さん» コメントありがとうございますヽ(;▽;)ノそう言っていただけてとても嬉しいです(涙) (2017年2月21日 19時) (レス) id: 7ee6bd3e98 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽 - 完結おめでとう!とてもおもしろカッターデス! (2017年2月19日 8時) (レス) id: d3a97d98d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城萌江 | 作成日時:2016年4月18日 17時

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