蜘蛛の頭と死なない女の子【H×H】

1 ページ2

広い館内

暖色系の照明がたかれていて、なかなか凝った内装のようだ

マイナーな場所なのかと思っていたが、思ったよりも人がいる

･･･皆刺激を求めて来ているのだろう

展示品が全て人間(？)ということで、博物館というよりは水族館のような展示のされ方をしている様子

ガラス越しに、展示品が動いているところを見ることができる

その中は意外にも、家具も十分に置いてあり普通の部屋になっている

毛むくじゃらで犬のように走る女性

腰から足が四本生えた男

肌が蛇のような双子

想像していたよりもいろんなものが展示されているようだ

あまり立ち止まらず、さらさらと眺めどんどん進んでいくと

曲がり角に真っ白な部屋があった

他はごく普通なのに、ここは本当に何もない

真っ白な部屋で、左側にシャッターのようなものがあるだけ

その部屋の真ん中に、赤い何かが広がっている

もう少し近づいて見ると、片手で腹を抑えている少女が一生懸命に床にこぼれている赤い液体を拭いていた

黒い服に黒いズボン、黒い髪は肩あたりで綺麗に切り揃えられている

見た感じ17、8というところか

妙に気になってそのまま少し眺めていると、その子はこちらに気づいたようで

掃除の手を止めて、こちらを見てニコッと笑った

「ハァイ、お兄さん」

機械音のような彼女の声が聞こえた

枠を見ると、スピーカーがついていた

部屋の中にも角に二つ、スピーカーがついている

･･･話しかけてくるのか

「･･･やぁ。何をしているの？」

「自分の血を掃除してるの。掃除の人が、他の子のところで忙しいみたいだから」

自分の血･･･？

床に広がっている液体は、バケツからこぼしたんじゃないかくらいの量だ

そしてこれが自分の血だという

･･･確かに、少しゼリー状に固まり始めているような所があり、血である事は間違いなさそうだ

しかし本当にそうだとしたらなぜ彼女は生きているんだ

1→←序章

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す