桃色の指先と翡翠の憂鬱 43

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俺たちに気づいた斗真さんがカフェから出てきた。


生｢オーダー伺いますよ｣

佐｢のえちゃん見に来たの｣

生｢あの方は、フルール・ド・リスのレストランの常連さんみたいですね｣

阿｢そうなんだ｣

生｢メモで、渡辺さんいますか？と聞かれたのでのえさんに応援を頼みました｣

照｢翔太、会いたかっただろうな｣

佐｢あ。やばい。のえちゃんと目が合った｣

川島先生がギャルソンエプロンをした格好で外に出てきた。

川｢見せ物じゃないから｣

生｢のえさん、後は任せてください｣

川｢大丈夫。3人は戻って。ここにいると不審者だよ｣

照｢俺が不審者…｣

阿｢喉乾いたし、普通に客として行くよ｣

佐｢あべちゃんお金ないよ｣

川｢阿部先生、払ったことないです｣

照｢リョウ、まさか無銭飲食？｣

阿｢如恵留が受け取らないから｣

生｢視線って気付きますからチラ見も禁止ですよ｣

佐｢はーい｣

川｢奥のテーブル席へどうぞ｣





3人でCafeに入って奥のテーブル席に座った。


川｢阿部先生はカフェラテで佐久間はクランベリーソーダね。岩本さんはミルクティーですか？｣

阿｢店員が押し付けてくる…｣

佐｢のえちゃん…｣

照｢ミルクティーのアイスで｣

川島先生はオーダーを半分押し付けて、カウンターの中に入った。



照｢俺、店内で飲むの初｣

阿｢俺も。バックヤードでしかないかな｣

佐｢佐久間さん、あべちゃんに怒られてから来てない｣

照｢あの時か｣

阿｢ピンク髪ってまだ知れ渡ってないからいいよね｣

佐｢うん。次は銀髪にする予定｣




照｢11月のケーキはなんだろ｣

ひーくんが机の端にあるメニュー表を見た。

照｢さつまいものケーキだって。これ食べたい｣

阿｢川島先生が厨房入ったから出してくれるよ｣

佐｢あべちゃんわかるの？｣

阿｢如恵留だよ。俺の好きな物把握してるから｣

照｢さつまいものケーキ、ふっかにお土産に包んでもらおう｣


斗真さんが飲み物を運んで来てくれた後、川島先生が3つお皿を手の上に乗せて厨房から出てきた。

川｢11月のケーキです。サービスでマカロン付けておきました｣

阿｢如恵留ありがとう｣

佐｢のえちゃん、ナイス｣

照｢川島先生ありがとう｣

川｢ごゆっくりどうぞ｣


さつまいものケーキの横に、俺と佐久間はメンバーカラー、ひーくんはチョコのマカロン。

生徒にあげたけど食べたかったんだよね。

川島先生は下手なウインクをして微笑んでくれた。

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