桃色の指先と翡翠の憂鬱 43

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猿田彦神社は、歩いて5分くらいの場所にあった。



照｢みきひらきの神様。あっちの佐瑠女神社は、さっくんとさなぴーにはぜひ行って欲しくて｣

川｢芸能の神様ですか？｣

照｢うん｣

深｢ひかる、ここは外せないって言ってたもんなっ｣

佐｢芸能の神様…｣

照｢佐瑠女神社に祀られてる天宇受売命は、天照大神が天岩戸に閉じこもった時に、踊りを踊って外に出した神様｣

佐｢踊り…｣

川｢佐久間、その踊りが神楽の元になったんだよ｣

深｢のえさん、詳しいなっ｣

川｢佐久間と一緒に舞踊史を学びましたから｣

阿｢1年の時だよね｣

真｢それ演劇史でも勉強したよ｣

照｢元は同じなのかもね｣

佐｢うん｣



猿田彦神社に参拝しても佐久間の気持ちは、もう1つの佐瑠女神社に向いてる。

ずっと神社のある方角を見てるからわかる。


照｢さっくん、先に行く？｣

佐｢うん、行く｣

佐久間と川島先生と真田くんが先にお参りした。

深｢のえさん、芸能事務所の社長だったなっ｣

阿｢俺もそれよく忘れてる…｣

照｢ここは芸能関係の人なら、よく来る場所なんだって｣

川｢岩本さんありがとう｣

佐｢ひかる、俺、神様に約束してきた｣

真｢お願いじゃないの？｣

佐｢うん。約束だよ。内容は秘密ね｣


俺とふっかとひーくん、3人でお参り。

俺たちのお願いは同じだろうな。


照｢猿田彦神社に戻るよ。御朱印もあっちでしかもらえないし、あと、みんな八角形探してみて｣

佐｢八角形？｣

川｢いたる所にありましたね｣


八角形の石があるのは気付いてたけど。

照｢ここ、集合！｣

ひーくんに呼ばれて、みんな八角形の石の前に集まった。

八角形に24文字刻まれている。

十干十二支かと思ったけど、書かれてる文字が違う。

照｢リョウ、違和感感じた？｣

阿｢うん｣

照｢俺も疑問に思って、調べたけど、これは二十四山だった｣

川｢二十四山？｣

照｢昔の方位表、だから、この石は方位石｣

深｢ひかる、勉強しすぎだってば｣

佐｢わけわかめ｣

真｢この石触るの？｣

照｢うん。触るのは順番があって、仕事運、金運、家庭運、人気運で違うから教えるね｣

佐｢俺とさなぴーは人気運だね｣

深｢俺は金運｣

照｢俺と川島先生は仕事運かな。リョウは？｣

阿｢家庭運で｣

佐｢なんで？｣

阿｢みんなと違うのがいい｣


家庭運、佐久間も川島先生も一緒に暮らす真田くんの運気も上げたい。

みんなで仲良く暮らすことが俺には大切。

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