桃色の指先と翡翠の憂鬱 43

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橋を渡って鳥居の前でまた一礼した。

ここからが神域。


佐｢ひかる、手を繋いでくれる？｣

照｢うん｣

深｢さっくん、そこはリョウだろっ？｣

佐｢んーん。ひかるじゃないとだめ｣

阿｢俺は気にしないから｣

真｢さっくん、大丈夫？｣

佐｢大丈夫だよ。いこ｣

川｢阿部先生は僕と｣

阿｢うん｣


右手に曲がって、佐久間とひーくんの後をついて歩く。

照｢ここは神苑って神の庭ね｣

真っ赤なもみじに白い玉砂利。青い空に映えて綺麗だ。


橋をまた渡って、手水舎を素通りした。

深｢ひかる、清めなくていいの？｣

照｢うん。この先にあるから｣

ここにも鳥居だ。また一礼をして通る。




なだらかな石畳の階段を降りて川のほとりでみんな手を洗ってる。

佐｢水が冷たい…｣

照｢さっくん、ハンカチどうぞ｣

佐｢ありがとう｣

川島先生と一緒にしゃがんて手を洗った。

阿｢水が澄んでる…｣

川｢川で手を洗うってガンジス川みたいですね｣

真｢川島さんは例えがワールドワイド…｣

深｢言えてる｣

照｢洗ったら、次はこっちね｣

2人が参道ではなくて、小道に入った。


佐｢たきまつりのかみ｣

照｢瀧は川のことで、ここは五十鈴川の神様。川に神様がいるのは知ってるよね？｣

佐｢うん。ハクでしょ？｣

川｢映画にあったね。あれは龍神の姿だったけど｣

照｢ここはとっつきさんって、天照大御神に取り次ぎしてくれるんだよ。名前と住所と参拝に来ましたって伝えてね｣

真｢4人住所同じだね｣

阿｢うん。めめとこーじも同じだしね｣


取り次ぎさんに参拝して、名前と住所と参拝しに来たと心の中で伝えた。

照｢じゃぁ、お待ちかねの正宮に行こう｣

佐｢はーい｣




参道に戻って、鳥居の前で一礼して進む。

階段の上に正宮が見えた。


照｢手を繋ぐのはここまでね｣

階段を登って鳥居の前で一礼。

中に進むと、登ってこない人が1人いた。



照｢ふっか｣

佐｢ふっか、もろに受けたんだ｣

深｢頭痛ぇ｣

川｢大丈夫ですか？｣

深｢…うん。ゆっくり行くからみんな先に行ってて｣

真｢俺、ふっかさんについてます。先にどうぞ｣

照｢ふっか、違う。ここを出るまで頭痛は治らないから｣

深｢わかった｣

阿｢俺、頭痛薬持ち歩いてるから、治らなかったらあげるね｣

深｢サンキュ｣


ゆっくりふっかが階段を登って、6人が揃った。

お参りするならみんなでがいい。

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