桃色の指先と翡翠の憂鬱 43

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夫婦岩を眺めながら、車に戻った。

風は強くないけど、髪がベタついてる。

2匹がお留守番してて良かったな。


車で20分くらいで、伊勢神宮外宮に着いた。

さっきよりも人が多い。


神聖な空気が漂う中を、6人で歩く。

佐久間は真田くんの隣だ。

先頭はひーくんとふっか。

俺と川島先生が、最後尾を歩くのは教師の癖だな。


照｢ここが火除橋。外宮は左側通行で、左足から。ここから神域だよ｣

ひーくんが鳥居の前で一礼をしてくぐる。

ひーくんの作法を真似していれば、問題ない。

神社巡りのエキスパートだ。



阿｢如恵留は普通に参拝しても平気？｣

川｢平気です｣

阿｢あんまり気にしてないよね｣

川｢そうですね。僕はカトリックなので、禁止されてないです。崇拝をしなければ大丈夫です｣

阿｢崇拝はダメなんだ｣

川｢はい。敬意を表してはいますが。そこは区別してます｣

阿｢話しにくいこと聞いてごめんね｣

川｢いえ。佐久間は気にもしてないですよ｣

佐｢んー？｣

川｢好きな人の宗教を認めることも愛です｣

佐｢難しい話？｣

阿｢そう｣

佐｢2人は感じないの？｣

川｢何を？｣

佐｢空気変わったよ、ここは特別な場所だね｣

真｢俺はわかんない｣

照｢ここでわかるの俺とさっくんだけだよ｣

深｢2人とも神社行き過ぎて、あっち側に近いんだよっ｣



手水舎で手と口を清めて、鳥居をくぐった。


照｢緊張するね｣

佐｢うん…｣

佐久間とひーくんが先頭になってる。

深｢ひかる、おみくじは？｣

照｢ここにはないよ｣


正宮前で、参拝の列に並ぶ。

佐久間と真田くんに続いて、2礼2拍手をして、日頃の感謝を伝えた。

1礼して次の人に場所を譲った。

照｢さっくん、別宮も回る？｣

佐｢ひかる、御朱印もらおう｣

照｢回ったらにしよう｣

佐｢うん｣




ひーくんと佐久間、完全に2人のペースだ。

阿｢2人はいつもこんな感じ？｣

佐｢ひかると神社回ってる時は、余計なこと話さないね｣

照｢神社の雰囲気に2人で圧倒されてるね｣

佐｢その後は2人で観光だよね｣

照｢そう。さっくんと一緒だと何でも楽しい｣

深｢そんな笑顔で言われたら文句言えねぇよっ｣


佐久間とひーくんが手を繋いで、その後をみんなで付いて回った。

多賀宮、土宮、風宮、ひーくんが説明してくれて、勉強して来たんだろうな、話も面白い。


最後に御朱印を2人が頼んだ。

御朱印を待つ間、佐久間が難しそうな顔をしてた。

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