桃色の指先と翡翠の憂鬱 43

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佐｢あべちゃん、のえちゃん、あの映画の真似する｣

阿｢いいよ｣

川｢うん｣

船の甲板に出て、階段を登って最上階へ。

3階はVIP室と甲板。

1時間弱の航海にVIP室使う理由がないな。


船首に出て、佐久間が先頭に立った。

後ろから抱き締めて、その姿を川島先生がスマホで撮ってくれた。

佐｢つぎはのえちゃん｣

川｢佐久間、白群色ちゃん持ってて｣

阿｢撮るよー｣

佐｢にゃす｣

くまさん2匹を抱っこしてる佐久間に、スーツ姿の川島先生。

どっちも良い笑顔だ。

スマホで撮影して、川島先生と写真を送り合った。



佐｢つぎは2人で｣

川｢え。それどっちが前なの？｣

阿｢身長的に俺が後ろ｣

川島先生を後ろから抱き締める。

川｢Happy birthday.｣

阿｢ありがとう｣



佐｢2人で何話してるの？｣

川｢佐久間撮れた？｣

佐｢うん。あべちゃんが素で微笑んでる｣

阿｢どれ？｣

佐久間が撮った写真の俺は、ありがとうって言った後の顔だ。

川｢お誕生日おめでとうって伝えたんだよ｣

佐｢俺の方が先に言ったもん｣

阿｢そうかな｣

本当は昨夜、川島先生にはベッドの中で言われたんだけど。

佐久間がアニメ観るって、自分の部屋に行って寂しかったのに。

深夜のアニメに負けたから、拗ねてたんだけどな…。




佐｢あべちゃんまた俺のメッセージ見てない？｣

阿｢ん？｣

佐｢あべちゃんスマホ貸して｣

阿｢はい｣

スマホを渡すと、佐久間がおめでとうってスタンプを押した画面を見せた。

佐｢0時ちょうどに送ったよ。あべちゃん見てもないじゃん｣

阿｢ごめん。眠くて見てなかった｣

川｢阿部先生、ほわほわしてましたから｣

佐｢ほら、Snow Manみんなから来てる。誕生日ダービー1位はひかるだ｣

阿｢ひーくん、記念日大切にするよね｣

川｢僕と同じですね｣

佐｢ひかるたちどこ行ったかな。探そう｣


3人は俺たちと反対側の船尾にいた。

海を眺めて話してた。

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