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「美味しかった、ねえ。」
fkr「めちゃめちゃ大きかったね？中から白玉出て来てびっくりした。よく行ってたの？」
「ううん、1回だけ琴葉ちゃんと来たんだけど、琴葉ちゃん冷たいものはいっぱい食べられなくて溶けちゃって大変だったの。栞奈と2人でも同じことになっちゃうだろうし。男の人と行くといいのかあ。・・・あ、今度駿くｎ」
fkr「A。」
「うん？」
fkr「ここのお店、俺とAとのお店にしよ？他の人連れてきちゃダメ。ね？」
「・・・ここね、秋にはモンブランが美味しいんだって。一緒に、来てくれる？」
fkr「行くよ！毎日でも行く！せっかく俺たちの母校の近くなんだから、俺たちが通おうよ？」
「・・・うんっ」
よしっ！須貝さん阻止！
あー・・・もう、4時過ぎちゃってる。
fkr「そろそろ、須貝さんとの待ち合わせのとこ、行かないとねえ。」
「え、あ、そうだねえ。・・・拳くんとの時間、楽しくてこんな時間になってるの気付かなかった。拳くんとこんな誕生日過ごせて、すっごく嬉しい。」
fkr「・・・来年も、誕生日、一緒にお祝いしようね？」
「・・・うん。駿くんにフラれなかったら、来年もこんな誕生日の過ごし方できたらいいなあ。」
fkr「フラれるなんてないからね？うんって返事だけだったら、来年は独り占めしようと思ってたのに。」
「もう(苦笑)でも、駿くんが誕生日、半分譲ってくれて良かったなあって思ってるよ？拳くんと誕生日お祝いしたの、高校までだってそうだったけど・・・あの時は、ちょっと辛かったし。ほんとは拳くん、ケーキのプレートに書かれてる名前が自分だけじゃないの、嫌なんだろうなって思ってたから。恥ずかしかったのもほんとだけど、私の名前入れない方がきっと喜んでくれるかなって思ったの。」
そんなはずないのに。
誰よりもAと一緒が良かったの、俺だよ？
「昨日、一緒じゃないと十分じゃないって言ってくれて、ありがとう・・・すっごく、嬉しかった。」
笑いかけてくれたAの目に光るものが見えた。
ぎゅっと手を繋ぐと握り返してくれて、待ち合わせの駅に着くまでお互い電車の外を見ながら何も言わずにいたけど、手は繋いだままで。
駅に着いて電車を降りる時には自然と手は離れて、お互いいつも通りに戻った。
時刻は16時50分。
しょうがない、ここからは須貝さんに俺のA、譲ってあげるから、誕生日が終わるその時まで、Aのこと、ずっと笑顔にしてくださいね？
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作者名：たらこ
| 作成日時：2021年9月4日 17時
