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sgi「おつかれ〜」
おつかれさまでーす、とまばらな返事を背に今日も寒いなと思いながらマフラーに首を埋めつつオフィスを後にした。
今日は18時までって言ってたしもう家にでも帰っとるかな。もし時間空いてるならご飯でも、と思いながらトーク画面を開いてメッセージを送るがすぐに帰ってくるはずもなく。
sgi「一旦帰るか。」
電車に乗って最寄り駅に到着し、マンションまで歩くとエントランスにAくらい小柄な女の子。
・・・ん？
いやあれAやろ！！
sgi「A！！」
「あ・・・駿くん、連絡もなしに突然ごめんなさい、あの、予約もしてないからここで渡そうと思って、」
sgi「予約？なにを？いやいつでも来てくれていいからとりあえず上がりなさいな、身体キンキンに冷えとる。」
「え、で、でも、」
sgi「いいから。ココア出しちゃる。」
そう言って冷え切ったAの手を取ってマンションの中に入って部屋まで連れて行く。もう、手袋しなさいよせめて。
sgi「あい、ココアどーぞ。あったまってから話そう。」
「ありがとう・・・んん、あったかい、美味しいです。」
sgi「そりゃ良かった。連絡くれたら迎えに行ったのに。迎えに行けんにしてもカフェで待ってくれてても良かったし。というか合鍵持ってるでしょあなた。」
「や、そ、それは家主に連絡もなく使えない、ので・・・」
sgi「風邪ひくくらいなら使いなさい(苦笑)ほんで？どした？」
「あ、あの・・・ハッピーバレンタイン！」
と言ってAから差し出されたのはちょっとでかめのラッピング。
sgi「あ、バレンタイン！ありがと、存在を忘れとった、嬉しい。開けてもいい？」
「・・・はい。」
なぜ顔が曇る？
不思議に思いながらもラッピングをあけると中に入っていたのは、
sgi「・・・パン？」
「あの、その、駿くんが甘いものがお好きかどうか分からなくて、それでこの前動画を見てたら、その、ファミリーマートの・・・」
sgi「・・・アップルクリームデニッシュ！！好き好き！！え、それで作ってくれたん！！」
チョコより難ないか？
俺の彼女すご。
「その、一般的なバレンタインスイーツじゃなくてごめんなさい、き、聞けなくて」
・・・
sgi「それか！！！」
いやそれくらい聞いてよ(笑)
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作者名：たらこ
| 作成日時：2021年9月4日 17時
