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fkr「なんで染めるの！」
「え、あ、いや、別になんでって理由も、ないんだけど・・・じゃあパーマとか。」
fkr「なんでくるくるにしたいの！」
「それも、理由はないんだけど・・・」
fkr「じゃあダメ、拳くんが許しません。」
「ええ・・・」
fkr「黒髪ストレートは、俺とのお揃いでしょ？大事に守ってきたじゃん。」
え、あ、お揃い？守るもなにも、何もしてないだけなんだけどなあ・・・
とにかくダメ、とだけ言ってようやく拳くんは荷物を置きに奥に行って帰ってきた。
「ねえ拳くん？」
fkr「うん？」
「じゃあ、ピアスは？」
fkr「もっとグレてるじゃん！！痛いよ、穴空いちゃうよ？何かがなくなっちゃうよ？」
「・・・そうなの？」
fkr「うん。もう元には戻らないんだよ？」
「・・・じゃあ、辞めとく。」
fkr「そうしなさい。」
じゃあどうやったら、女の子っぽくなるかなあ？
fkr「女の子っぽく？」
心の中で言ったつもりだったのに、声に出してたみたい。拳くんがびっくりした顔でこっちを見てる。
fkr「A、めちゃめちゃ女の子っぽいじゃん。男には見えないよ？」
「・・・そういうことじゃ、なくって。ねえ拳くん、明日、お買い物、着いてきてくれない？」
fkr「Aが買い物なんて珍しいね？スーパーじゃないんでしょ？」
「服屋さんて意味のお買い物です(苦笑)・・・ﾎﾞｿｯ あとで、調べよう。」
頭の中にはさっきまで見ていたかこちんさんでいっぱい。見ていたスマホの画面を指で一撫でして、作っておいた夜ご飯を温めにキッチンに向かった。
fkr「・・・？？」
その日の夜、パソコンでお仕事をしている拳くんと背中を合わせてかこちんさんのTwitterを眺める。
・・・見れば見るほど、可愛いなあ。
fkr「・・・」
さすが拳くん。私の悩みなんてすぐバレちゃうね。
次の日。
「これ、どうかなあ。」
fkr「可愛い。でもAにはこっちのほうが似合うと思うよ？」
うん。私もそっちのシンプルな方が好き。なんだけど。そうじゃだめなの。
fkr「別にかこちんに寄せなくても、A、可愛いよ？」
「？！」
fkr「はい、とにかくこれは置いてきて、帰ろ？顔が浮かない買い物はただのお金の無駄遣いだよ。」
その後ご飯食べに行ったり本屋さんに行ったりしたけど、拳くんは何も言わなかった。
私も、拳くんにかこちんさんのこと、聞けなかった。
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作者名：たらこ
| 作成日時：2021年9月4日 17時
