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四十六話* ページ47

「サンジさん、Aさん。本当に世話ンなった。有難う…!」
「別にいいってばさ」

もぅ、さっき礼はいいって言ったのに。儀理堅いんだからぁー。

「Aさんも別にいいって言ってんだ、おれも別になんも思っちゃいねぇ。気にする事ぁねぇよ」

サンジの屈託のない笑顔を見て、ギンはようやく体全体に入っていた力を抜く。


「…なぁ、サンジさん…。」
「どうした?」

さっきまで深く入っていた眉間の皺はゆるみ、真一文字だった口角は上がっている。

「俺…、また来てもいいかな」
「あぁ、いつでも来い」

サンジの即答に、ギンは力なく笑い、小さく「有難う」とこぼした。




こうして、私たちはクリーク海賊団と別れを告げた。



――――時間経過中――――――――



あれから少し経ち、私たちはバラティエでご飯を食べている。

「サンジ、お前らが食べる席なんかねぇからな!」

あぁ、始まったか。サンジをたたせる為の演技が。

「おいおい誰だぁ?今日のスープの仕込みした奴ぁ」
「おれだ!!どうだ!うめぇだろ?」

サンジがワクワクした表情でパティに自慢する。気合入ってたんだろうねぇ。


「まずすぎて話にならねぇな!ペッ!ペッ!豚の餌か?こりゃ」
「悪いが今日のは自信作だ!てめぇの舌がどうにかしたか!」


カルネを筆頭にどんどんと周りの人が文句を言う。

「うえっ!!まっじ!」「んだこれ、くえたもんじゃねぇぞ!」
「捨てろ!」


ドン!

オーナーゼフが、机を強く叩き、周りを黙らせる。それから静かにマナー良くスープを飲み干し、告げる。
「なんだぁ?!このヘドロみてぇなスープは!こんなもん客に出されちゃ店がつぶれちまうぜ!」



その後、サンジが出て行く。
結構効いたみたいだ。

「このスープ、すげぇ〜うめぇぞ?」「皆知ってるよ、あえてそうしてるんだ」
「嬢ちゃんの言うとおりだ。…というわけでおめぇ、頼みってわけでもねぇがコックを探してんならあの『チビナス』を連れってってくれねぇか?」

「断る!俺はもちろんあいつがいいけど、あいつがここでコックを続けるって言ってんだから連れてけねぇよ」

ルフィ君はここら辺のところはキチンとしてるんだよね、そのほかは大体はちゃめちゃだけど。


「そうか…。じゃあ、アイツの事はよろしく頼んだぜ」
「?」「承りまぁした♪」

ルフィ君は理解できてないけど、ちゃんと私がゼフさんの頼みは受け取った。

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作者名:シーデン | 作成日時:2017年1月17日 21時

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