四十話* ページ41
「そんな…ナミちゃんが…?」
「ウソじゃねぇんです!アネキ!」
その後、起こったことを説明してもらう。
ヨサクとジョニーは、地面にめいいっぱい頭を擦り付けて謝ってくれる。今回の件は誰も悪くないのに…。ナミちゃんはもちろん、黒幕であるアーロンにだって情状酌量の余地は少しだけどあるし。
「今ここで何を言ってても仕方ない!ウソップ君、ゾロ!小舟を借りてナミちゃんを追って!ヨサク達は道案内を!」
「…了解、副船長」「おぉ、ま、任せとけ…!」
「わかりやした」「アネキもお気をつけて」
こうして、私たちはクルーを二分することとなった。
「…!アレが…」
出発の身支度を整えているところ、ゾロが急に手を止める。自身の夢の果てに居る人物、世界一の名をその身に背負う剣士。ミホークと出会ったからである。
「おい、ゾロ!止めとけって!!!」
「すまねぇ、ちょっと時間もらうぞ」
ウソップ君の必死の制止を軽くあしらい、ゾロはミホークに近づく。
「なぁ、暇なんだろ?勝負しようぜ」
「勝負?あわれなり、弱き者よ、一端の剣士であれば剣を交えるまでもなく俺と、おぬしの力の差を見抜けよう。この俺に刃をつきたてるはおのれの勇気か、将又無知なる故か」
「おれの野望故…!そして友との約束のためだ」
ゾロが台詞と共に剣を構える。
それにミホークは首にかけてあった小刀を抜いて対応する。
「おい、そりゃいったい何のマネだ」
「俺は兎を狩るのに全力出す馬鹿な獣とは違う。生憎、これ以下の刃物を持ち合わせていないのだ」
首を傾げ、子供のお遊びに付き合う大人の様な素振りで、ゾロを誘う。
「ふざけやがって…!死んで後悔すんじゃねぇぞ!!」
相当頭にきたのだろう。これまでに聞いたことのないほどの大きな怒声をあげ、鬼斬りを繰り出す。
「ほう…」
しかし、最強を前にあっけなく止められる。といっても、原作よりも顔が少しばかり笑っているようにも見える。
「井の中の蛙よ…世の広さを知るがよい」
ミホークが鬼斬りをそのまま受け流し、ゾロの体勢を崩して手刀をくらわせる。
「がはぁっ…!」
ゾロはそれをまともにくらい、倒れかけるが何とか持ち直し技を出す。
「世界がこんなに遠いはずはねぇんだ!!虎…狩りィ!!」
しかし…。
ザグッ…。
「このまま心臓を貫かれたいか…何故退かん」
「わからねぇ…ここで退いたら今までの信念とか約束とか全部…なくなってここに戻れなくなるような気がするんだ…」
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作者名:シーデン | 作成日時:2017年1月17日 21時