四話* ページ5
「いや〜、ほんっとおもしれぇな！！その、なんだっけ。え〜と……そう！すちすちの実って！！」
「えへへ〜。そう言うルフィ君のゴムゴムの実もすごいよ！」
適当に体のそこらかしこを蒸気にして遊んでいると、ルフィ君が瞳を輝かせて食いついてきた。
珍しい物好き。原作にもあった特徴だ。
これまでのやり取りからもわかる通り、ルフィ君は私の知る原作と同じ性格をしているってことでいいね。
て事はやっぱりここは漫画の中の世界？
あるいは漫画を模した世界か。
では誰だ、誰がそれをやった。
神？なるほど神ならば世界を作り上げる事も容易だろうさ。
明らかに人智を超越した出来事であるのは違いない。
なれば私が頭を捻らせようが全力で振り回そうが答えにたどり着けるはずもない。
考えるべき問題は、ハウダニットよりフーダニット、ホワイダニットだ。
――――うん。わかんない。
私の脳みそちゃんが限界だときりきりと痛みを訴える。
白旗です。
「あ！そうだ！A！お前、俺の仲間になれ！！」
わお！唐突！
でもまぁ、ルフィ君に会ったからには、こっちから無理にでも頼みこもうとしてたし。…うん、断る理由が見つからないかな、今のところは。
もし、私がこんな夢を見ている理由が見えてきたら、たもとを分かつことになるかもしれないけれど……多分何とかなるさね。
「えぇ、私でよければ！！」
「にししし！じゃあ決まりだな！！」
そういえば今って原作にあてるとどのあたりなのかな、服装を見るにニ年後じゃあないね。
原作に森が出て出てくる場面なんかいくらでもあるからな〜〜。
よし、聞いてみよう。
「ねぇねぇ、ルフィ君の仲間ってほかにもいるの？」
「んー？いねぇぞー。Aが一人目だ！」
なるほどなるほど、私が1人目ってことは、ゾロにさえまだあったことが無い状態。つまりは、アルビダのところに行く前ってところかな？
「そうなんだ！じゃあこれからよろしくね！」
「おう！よろしく！！んでさ、Aって船持ってねぇか？おれのどっかいっちゃってよー」
「船？船ならほら、あっちにあったけど…。もしかしてルフィ君のかな？」
散策していた時に見つけていた小舟を指し、ルフィ君に見せる。
これがルフィ君の持っていた舟であるという証拠はないけれど、こんな辺鄙なところに舟を止める人なんかルフィ君ぐらいしかいないだろうし。
それに、仮に誰かのものだったとしても私たちは海賊だ。奪取しても何も問題はない。
「あ！ほんとだ！よーーし！野郎ども！！出航だぁーーー！！！」
「あいあい！船長！」
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
