二十三話* ページ24
「おいおい、何だァ？そんなに大事か、この襤褸帽子が」
「それはおれの『宝』だっ！返せ！！」
バギーにつかみ掛かるルフィ君。しかし、それも空しく緊急脱失で躱される。
「ハァ？宝ァ？これが？アホ抜かせ、いいか小僧。宝ってのぁ、持ち主の威厳を示す金銀財宝の事を言うんだぜぇ？」
「このッ！返せよ！！」
頭に血が上っているんだろう。攻撃がワンパターンだ、簡単に避けられる。
「っへ、そんなに大事になお宝ってんならよ、しっかり守れぃ！！！」
グシャ！！
「あぁあ！！！」
「いい気味だぜ、ほらどうした、こんなゴミ。おらぁ欲しくもねぇぞ！」
ルフィ君の『宝』を踏みにじり、挙句ゴミだと罵る。ルフィ君の怒りは完全に頂点に達しただろう。
「お前、もう許さねぇ…！」
「なんだぁ！？怒りのあまり煙まで出たのか？！」
あの構え、ギア
何で？！そこまで怒ったって言っても原作通りだし…。多分私なんだろうなぁ、原因というかトリガーになったのって。今度聞いてみよう。
「ふん！」「ぐぉっ？！！！」
さっきまでとは桁違いの速さによる重い攻撃、堪らずバギーは膝をつく。
「行くぞ…！飛んでけぇぇーーーーーっ！」
「ぎいぃーやあああああ！！」
ゴムゴムのJETバズーカを食らって、遥か彼方にまで飛んでいく。
かけたパーツはない、ひとつなぎのままで。
「ふああ…疲れた〜」
ふらふらとよろけながらこちらに来るルフィ君。
「おっとと、大丈夫？お疲れ様。」
成程ね、これは未完成なんだ。だから技名も叫ばなかったし、こんなに疲労がたまっていると。いくら何でもこんなに早い段階でギアを覚えられたらね、敵もたまったもんじゃないよネ。
「くそ、…おれの帽子が…！」
力の抜けた声で、ルフィ君が嘆く。
困ったことに私は裁縫とか縫物はてんでダメなんだよね、これが。
まぁ、あと少しすれば宝を盗みに行ったナミちゃんが…。
「あたしが直してあげる、今回の件のお礼よ。それにしても、ほんとに倒しちゃうなんてね、馬鹿げてるわ…アンタたち。」
ほら戻ってきた！
いやぁ、ナミちゃんがいてくれてよかったねぇ。
「お〜、ありがとな〜！」
「だから言ったでしょ、ルフィ君がドッカーンって」「全く…」
私たちがホンワカとしていると
「終わったか」
「うん、お疲れ様。」
寝ていたゾロが目覚めた。よし、これで全員集合。
バギー編ゾロが怪我するのを救えなかったけど、一応終了！
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
