十四話* ページ15
ところ変わって海軍基地。
キノコをぶん殴り、気絶させてから基地に舞い戻ってきたというわけだ。
無論、目的はゾロの解放。
かと言って、むやみにゾロに言いに行ってもまた突っぱねられるのは目に見いている。
そこで私の出番というわけだ。
「ルフィ君。そこのキノコを連れて行って、ゾロの刀を持ってきて。それを交渉のダシに使おう。」「Aさん、中々良い性格してますよね」
むぅ。コビー君に皮肉られたけれど、頑固者のゾロを引きずり込むのはこれが一番簡単だ。是非に及ばずである。
「そら当然サ、私達は賊なんだぜ。正義の敵なのだよ」
「……正義の、敵ですか」
正義という単語に難しい顔をするコビー君。
揺れてるねえ、自分の中で何が正しいのか判断しかねている様子だ。
「わかった。じゃあお前ら、ゾロを頼む！」
「ウィ！」
悩むコビー君を置いて、ルフィ君は基地へと入っていく。
…解放中…
「いいのか？お前ら」
お、黙って施しを受けてるかと思ったら、ゾロが口を開いた。魂がこもってないというか。心此処に有らずといった感じだ。
「えぇ、僕は自分の正義に従うまで。僕はこんな海軍は見たくない！」
「もとより私は海賊だもん。圧制には叛逆をってね。勝手にやってるだけだから、感謝とか入らないよ？」
「…そうか。」
「ていうかこの縄固いな…。中々どうして…解けない…！」「Aさん、これ…どうしましょう…！解けそうに…ない！」
私たちが縄相手に悪戦苦闘していると
「お前達、何者だ。その罪人は死刑囚だということはわかっているのか」
ありゃ、鉄顎さんがご到着なすった。こりゃちょいとピンチ？
「ひぃ…！あ、あのですね…こ、これは何と言いますか…そのですね…」
コビー君が必死に時間稼ぎをする。でもコレもう持たないな。
「ふん、何も言うな聞く気もない。鉄砲隊！構え…！！」
モーガンの叫びと共に、銃声がこだまする。が、銃弾がこちらに届くことはない。ゴムゴムのロケットで飛んできたルフィ君が、私たちを庇う。
「ぬぅー！効かぁ〜〜〜ん！！！」
ルフィ君のゴム質の体が間抜けな音を響かせ、銃弾をはじく。
「なんだぁっ！？」「ば、化け物ォ！！」
「ぬぅ…！能力者か。」
雑兵さんが怖気づいて腰を抜かす中、モーガンただ一人が、立ってルフィ君を睨みつける。
「ふぅ、おいゾロ！コレの中からお前の選べ！三本有ってわかんなかった！」
悲しいかなモーガンの怒りの視線は、ルフィ君には全く持って無意味だった。くるりと振り向き、ゾロに三本の刀を見せる。
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
