ダメ女と女子力男子【灰】

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「君は何をやってるのかな？」
　

『何って？カレー出来るの待ってるの』




おたまを持って私を見下ろすかるてっとさんに「それがどうかした？」と聞くと、そのままおたまでコツンと叩かれた。




『うわ！衛生的に良くないよ！』


「ちゃんと洗うわ。つーか、お前が衛生的にとか使うな！」



今にもおたまを投げてきそうなかるてっとさんを『まぁまぁ』と落ち着かせようとすると舌打ちされた。


これがじらいちゃんが喜んでた噂の舌打ちかぁ〜。





ーーー数分前。たまには部屋の換気でもしようと窓を開けたらカレーの匂いがふぁ〜と入ってきた。



根拠はなかったけど、かるてっとさんがカレーを作っている。そう私の直感がいうものだから、彼の家に入るとキッチンで鍋を混ぜるかるてっとさんが居たってわけ。



ふふふ、私の直感は当たるんだ。




そして今はカレーが出来上がるまでソファーで電子漫画を読みながら待ってる。



多分一人で食べるには大きめのお鍋で作ってるから元々私にお裾分けしてくれる予定だったんかな、なんて思ったりして。



調子乗んなって怒られそうだから口には出さないけど、口調が荒いわりには追い出したりしないし。やっぱり優しいんだよなあ。




『いただきまーす…………うんまぁ！！』



かるてっとさんの優しさを再確認したところで、出してくれたカレーをパクリ。


美味しすぎてほっぺが落ちるとはこのことだ。お店出せるよ。



ぱくぱくと食べ進めてると、視線を感じて目線を上げると頬杖ついて笑ってるかるてっとさんと目が合う。




『どしたの？』


「ん？あぁ。……なんか、いいなって思って」


『なにが？』


「…なんでもねーよ。早く食べな」


『もしかして馬鹿にしてる？食い意地張った女だと思ってるんでしょ？』




絶対そうだ。と少しムッとする。



そんな私を見て、かるてっとさんが「良いから早く食べろ、馬鹿」と、見たことない優しい笑顔を向けてくるから少しだけ胸の奥がきゅっとなった気がした。

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