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改めて振られるとか耐えられないから。それならもうこのまま距離を置いて自然とこの気持ちを終わらさせてよ。
聞きたくない、とごね続ける私を困った顔でみたかるてっとさんは耳を塞いでる私の手を力強く引っ張った。耳から手が離された瞬間、彼は私の耳元に唇を近づける。
「ーーー好きだよ」
『……っ、』
ハッキリと届いた声はどうしようもなく優しくて甘い声色だった。
その言葉を理解するのに数秒かかった。
『……友達として、でしょ』
「なわけないだろ。俺はAのこと女として見てるよ」
『冗だ…』
「こんな冗談言わない」
『でも、だってあの日ごめんって…。』
……そうだよ、あれは無理ってことじゃないの?
私の気持ちには応えられない。そういう意味のごめんなんだって思ってた。
「それはAに告る前にやらなきゃいけないことがあったから……それに俺から伝えたかったし」
『なら、なんでそうやって言ってくれないの、』
「何回も言おうとしたのに、お前が全然話聞いてくんなかったんだろ」
『……うっ、それは、』
それは、そうだけど…。
………じゃあ私また早とちりして…勝手に落ち込んでたわけだ?
また涙が溢れ出す。
『……うぅっ、』
いろいろ理解して泣き出す私を「…よく泣くね、」と頭を優しく撫でて何度も涙を拭ってくれるかるてっとさん。
ここ数日間ずっと不安だった。悲しかった。何度も時間を戻したい、好きになる前に戻りたいって願った。
『…やっぱり嘘ですとか言われても、もう無理だよ?』
「言わないよ」
『…いや、でもっ、なんで、』
「でもも、なんでも、もういいよ。俺はAが好き。以上」
その言葉だけでいろいろ考えてたこと、不安とか恐怖とか全てがどうでも良くなっていく。
それだけ私も好きなんだ。かるてっとさんの言葉一つで笑ったり泣いたりしちゃうくらい大好きなんだよ。
『…夢じゃないよね』
「夢だと困るわ…やっと言えたのに。お前、俺がどんな気持ちで今日まで過ごしてたと思ってんだよー。ずっと避けやがって」
『…………ごめん。…だけど私だって振ららたと思って傷ついたんだよ』
「……それはまじでごめんね、」
『もういいけど、」
夢にも思わなかった両想いになれたんだもん、過去のことは………もういいや。
『私、かるてっとさんが好き』
「……知ってるよ。」
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おゆき(プロフ) - りんさん» うわあ、嬉しいです…!でも心臓痛くなっちゃいましたか…ありがとうございました、と言っていいんでしょうか(笑)コメントありがとうございました。 (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - 雪さん» 素敵だなんてありがとうございます!嬉しいです!自分のペースになりますが、楽しんで更新していきます!ありがとうございます! (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - キュンキュンしすぎて心臓痛くなりました! (2021年4月2日 10時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 素敵すぎて一気に読ませて頂きました!また何回も読ませて頂きます。他の更新ものんびりと楽しみにしていますね。 (2021年3月6日 13時) (レス) id: 35fa8c2320 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - しめじさん» ちゃんと伝わりました!(笑)嬉しいです!ありがとうございます!次作もよかったらご覧になってください! (2021年2月6日 9時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月29日 9時