ダメ女と女子力男子【灰】

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《…と、さん、……かるてっとさん！！！！》



いちはちさんの声でハッと現実に引き戻される。


パソコンの画面を見ると、自分の操作していたキャラが死んだ後だった。



「はぁーーー」

《今日全然ダメだね》



笑ういちはちさんに、ごめん…とだけ言って一旦コントローラをテーブルに置いた。…全然ゲームに身が入んないんだよな。


近くにあったスマホを開いて画面を見る……だけど自分が求めている通知は来てなくてすぐに閉じた。



あの日以来、Aと連絡がつかなくなった。…何度か直接会いに行ったけどずっと留守。

俺が仕事の時間に帰ってきてるのか、一度も帰ってきていないのか……。


とことん避けられてんなぁ。

…まぁ、そりゃそうか。




《…まだ連絡こないんだ？》

「まぁね……」


気がつくとスマホを開いて、あいつからの連絡を待ってる自分がいる。

キモいな、俺。



《言っていいのか分かんないけど、妹の家にいるみたいだよ》

「………やっぱいちはちさんたちには連絡返してんのか」



分かってたけど、改めて聞くとちょっとショック。



《一体何やらかしたのー？》

「いや、まぁ、」


あの日のことを思い出して…頭を抱える。


正直はじめはAのことを女として見てなかった。

妹？…いや娘みたいな感覚でいろいろしてたけど、少し前から俺を見て辿々しくなったりよく顔を赤くするようになったあいつを見て、俺のことをどう思ってるのかなんてすぐに分かった。

……俺も悪い気はしなかったしね。



むしろ可愛いなとか、もっといろんな顔を見たいとかどんどん俺もあいつを求めるようになっていた。


だからあの日、はこたろーさんと楽しそうに会話するあいつの声を聞いた時、どうしようもなく腹が立ったんだ。

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