27 ページ27
仲間に入れてもらえなくて、ムッと口を曲げる。
《もうちょっとじゃない？》
『…なにが？』
ピンポーーーン、
《ほら、来たね》
いちはちさんが笑う。
『え、なに？怖っ、』
部屋中に鳴り響くインターホンの音に、身体を小さくする。
もう0時回ってんだよ？誰？…怖すぎるんだけど！
《早く行っておいで。俺らは通話終わろっか》
怖がる私に、しるこさんが《おやすみー》なんて言い出すから余計に焦る。
『待って待って待って！！怖い怖い！！』
《大丈夫だから！出ておいでよ》
『何！誰！』
《それは出てからのお楽しみでしょ》
『まじなんなの……』
楽しそうな３人と対照的に、眉を顰める。
《じゃあまたねー》
《おつかれ》
《ふぁいと！》
『ちょ…！！』
ブツ、と通話が切れる。
………なんて人たちだ。
この薄情者ぉおおおおお。
とりあえず誰が来たのか確認しようと、足音を立てないようにゆっくり玄関に向かう。
『あぁ、もう…怖いよぉ、』
変なやつが見えたらどうしよう、と恐る恐るドアスコープを覗いた。
『！！』
ドアスコープの前にいた人物に一瞬思考停止してると、またピンポーン！とインターホンが私を急かすように鳴る。
『は、はい！出ます…！！』
急いで扉を開けると、寒そうに体を屈めるかるてっとさんが立っていた。
「今、大丈夫？」
『大丈夫、だけど………どうしたの…？』
こんな時間に来るなんて、どうしたんだろう。なんかあったのかな。
緊張しながら尋ねると、かるてっとさんは「…これ」とポケットから小さい箱を出して私に差し出す。
『……？』
その箱を受け取って、かるてっとさんを見る。
鼻の頭が赤くしたかるてっとさんは腕時計を見て呟いた。
「…よし、0時ジャスト」
と。
『え、なに、』
？マークを浮かべる私を見て、また笑う。
「今日、何の日だと思う？」
『何の日って……0時回ったから……今日は12月の…1日……あ。』
すっかり忘れてた。
そうだ、今日は、
「…誕生日おめでとう」
私の誕生日だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 267人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おゆき(プロフ) - りんさん» うわあ、嬉しいです…！でも心臓痛くなっちゃいましたか…ありがとうございました、と言っていいんでしょうか（笑）コメントありがとうございました。 (2021年4月15日 14時) (
レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - 雪さん» 素敵だなんてありがとうございます！嬉しいです！自分のペースになりますが、楽しんで更新していきます！ありがとうございます！ (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - キュンキュンしすぎて心臓痛くなりました！ (2021年4月2日 10時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 素敵すぎて一気に読ませて頂きました！また何回も読ませて頂きます。他の更新ものんびりと楽しみにしていますね。 (2021年3月6日 13時) (レス) id: 35fa8c2320 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - しめじさん» ちゃんと伝わりました！（笑）嬉しいです！ありがとうございます！次作もよかったらご覧になってください！ (2021年2月6日 9時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おゆき | 作成日時：2020年11月29日 9時
