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「これは?洗った?…洗ってないな」

「うん、洗ってないよ」

「当たり前でしょ?って顔すんな!」




私の脱ぎ散らかした服たちを次々と脱衣所に放り込んでいくかるてっとさんを見つめてると「お前も手伝え!」と怒られた。




「えー、面倒くさいなぁ」

「……そんなこと言っていいんだな?片付けしないやつにはこれあげないよ」



どこからか出してきたタッパを掲げて、にやり笑う。




「まさか、それは…昨日電話で言ってたハンバーグ?」

「そう。だけど、ただのハンバーグじゃねえぞ。煮込みハンバーグ!」

「っ!!」




私は飛び起きて、地面に散乱する物をかき集める。


煮込みハンバーグ、その言葉を聞いた途端に腹の虫が騒ぎだした。




急いで片付けを始めた私の後ろで「ははっ!」と乾いた笑いが耳に入ってきた。





「…なに?」

「ハンバーグで片付けするって、子供みたいだなって思って」

「立派な大人だわ!」

「大人ねぇ、」





うわ、その顔めっちゃ嫌だ。


大人なのに掃除もろくに出来ねぇのかよ。そんな感じのことを思ってる顔だ。



失礼な。私だって本気を出せば掃除の一つや二つ!



………無理だ。無理だわ。





掃除ができるなら部屋はこんなことになっていない。



口を尖らせてゴミをまとめてると、「拗ねんなよ!…ほら、さっさと終わらせて飯食うぞ」とまた笑われる。



ムッとしながらも掃除の後に待つ煮込みハンバーグの存在を思い出して、すぐ機嫌が治る私はやっぱり大人になりきれてないのかもしれない。




2人で協力するとすぐに部屋は見違えるほど綺麗になった。掃除の後のかるてっとさん特製の煮込みハンバーグは失神しそうになるほど美味しくて一瞬で完食。




そのあと、かるてっとさんが私がしないだろうからと皿洗いも済ませて自分の部屋に帰って行った。





……本当に出来た男だ、と感心する。





何故彼女でもない女にそこまでしてくれるのかは分からないけど、私も一緒にご飯を食べる時間が最近はひとつの楽しみになってる。





そういえば、かるてっとさんが私の世話をしてくれるようになったのっていつからだっけ?


ふと、かるてっとさんとの出会いを思い出してみる。




そうだ、あれは凄く凄く寒い日の夜だった。

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おゆき(プロフ) - りんさん» うわあ、嬉しいです…!でも心臓痛くなっちゃいましたか…ありがとうございました、と言っていいんでしょうか(笑)コメントありがとうございました。 (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - 雪さん» 素敵だなんてありがとうございます!嬉しいです!自分のペースになりますが、楽しんで更新していきます!ありがとうございます! (2021年4月15日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - キュンキュンしすぎて心臓痛くなりました! (2021年4月2日 10時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
- 素敵すぎて一気に読ませて頂きました!また何回も読ませて頂きます。他の更新ものんびりと楽しみにしていますね。 (2021年3月6日 13時) (レス) id: 35fa8c2320 (このIDを非表示/違反報告)
おゆき(プロフ) - しめじさん» ちゃんと伝わりました!(笑)嬉しいです!ありがとうございます!次作もよかったらご覧になってください! (2021年2月6日 9時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月29日 9時

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