DRAMATIC 7

6号車と晩酌する ページ6

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お互い仕事をしていると日常会話が疎かになりがちだ。そうなると恋人同士の関係にも亀裂が入りかねない。だから一日の最後は必ず彼と晩酌をするようにしている。
2人掛けのソファーに揃って体育座りで『おつかれさま』「そっちも。」なんて他愛ないやり取りしながら、酎ハイ片手に１日のハイライトが始まる。


「今日さ、全然うまくいかなくて。」

今にも泣き出しそうな表情を浮かべたかと思えば、視線を下に落としたまま力無く笑う佑亮。

「んんー… ダメだ、もう酔ったみたい、」

アルコールのせいで少しだけ赤みを帯びた目を擦りながら、「おやすみ」と一言だけ残してソファーの肘掛けに頭を乗せると、電源が切れたように寝息をたて始める。どうやら度重なる練習とメディアに…怒涛の一日だったよう。

『よく頑張ったね、いいこいいこ。』

僅かに目尻に溜まっていた涙を人差し指で拭いながら、すやすや眠る彼の頭を撫でる。途端に手首を掴まれたと思いきや、唇が重なる感触と薄っすらと目の開いた彼の顔が目の前に。

「Aちゃんのそういうとこ、ほんと、」


「…ずるい」と小さく呟く声が子供のようでなんだか無性に愛おしくなって、『可愛いなぁ。もう、』そう返しながらすぐそばに畳んであったタオルケットを広げて、横になる彼に覆い被さった。


全部、アルコールのせい。
( 本当はシラフなんだけどね )

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