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2号車と、(恋人の場合) ページ40

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『……海?』

会話が途切れる度に彼の方に目をやると視線は手元の携帯に落ちていて、呼ばれると画面を伏せて顔を上げる。さっきからこれの繰り返し。

時折画面を見ては笑いを堪えたり、反対に曇った表情を浮かべている海に聞きたくない言葉を飲み込む。


「ごめんね、地元の奴から連絡来てさ、」

本人はきっと気付いてないんだろうけど、嘘つくと瞬きが増えるからすぐ分かる。

『そっか、』
「そんな悲しそうな顔すんなよー」

おいで、と手を広げる彼に包まれるとふわっと香る甘い匂い。悔しいけど、私の持ってる香水じゃない。


「そういえばまたあの水族館行きたいね」
『…海、全然楽しそうじゃなかったじゃん』

上の空だったよ、と付け足して見上げると少しだけびっくりした顔をして「地味に楽しんでたの!」なんて言いながら笑ってる。
その様子を見ていると、突然くしゃっと私の頭を掻き乱して「かわいいなぁ」と額にキスされた。

『…ずるい、』
「なんでよ」
『海はずるいよ、』
「えー?」


知ってるよ。この交際自体ただのフェイクで私に気がない事も、好きな人が居ることも。

『でも好き、』
「うん、ありがとう」

そうやって困ったように笑う顔すら愛おしいのに、彼から「好き」が返ってきた事は一度も無い。私ばっかり好きで、彼は私じゃない誰かが好きで、もうそれが当たり前のように染み付いてるのが苦しくなる。

飲み込んでいた言葉が、感情が、今にも溢れ出そうで思わず目を逸らすと彼にぎゅっと抱きしめられた。


「…A、俺、」
『いい、もうそれ以上言わないで、』


どちらも辛くなるだけ、傷つくだけ。

何より、別れるなら私からって決めてるから言わせるわけにいかなかった。二年付き合って、我慢してきた私のささやかな反抗。

その日が来るまで、どうか、まだあともう少しだけ、


( そばにいさせて下さい )

お疲れ様、3号車→←4号車とドライブデート



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設定タグ:超特急 , 8号車 , 短編   
作品ジャンル:タレント
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sheep(プロフ) - りんさん» ありがとうございます(*´ω`*)気まぐれ更新で申し訳ないです…!頑張ります! (2017年11月11日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
りん - すごく素敵です!続き期待してます! (2017年11月9日 19時) (レス) id: 6430758306 (このIDを非表示/違反報告)
sheep(プロフ) - 福田キャットさん» コメントありがとうございます( ; ; )うれしい…!そう言って頂けると益々頑張れます!ありがとうございます( ; ; ) (2017年10月24日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
福田キャット(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています!これからも頑張ってください! (2017年10月23日 21時) (レス) id: 02d1fbcb72 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - sheepさん» こちらこそありがとうございます!遅くに何回もごめんなさい!じゃあ明日(もう今日だ笑)行きますね!おやすみなさい^^ (2017年10月7日 0時) (レス) id: eac264aa47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sheep | 作成日時:2017年10月2日 4時

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