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6号車は構ってちゃん ページ28

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会社から持ち帰った書類に目を通している私の隣で、広げられた書類を覗き込んでは「全っ然わかんない…」と顔をしかめている佑亮。瞳を忙しく動かす横顔には口にせずとも ' 構って ' と書いてある。

『もうちょっと待ってね、』
「ん?…あ、全然気にしないで!」

私の言葉に目を丸くして首を横に振ると「ほら、サクッと終わらせちゃって下さいよ〜」と笑って書類を指差す。


『( …だめだ、誤字脱字が多すぎる、)』

企画書に修正を入れる作業が中々終わらず、お利口に待っていた彼も次第に飽きてきたのか肩にもたれかかってくる。

「Aちゃん、」
『ごめんね佑亮ー』
「んー やだー…」

子供のように口を尖らせている彼を横目に早く終わらせようとペンを走らせていると、唐突に体勢を変えて「にゃー」と猫が爪を研ぐ真似をして私の肩を掻く佑亮。

「構ってにゃー、にゃーにゃー」
『…ちょっ、くすぐったい、』

面白がって脇腹を掻いてくる手を払おうと身をよじると、笑って力が抜けた拍子に手元からするりと書類が落ちた。

「……やった。僕の番、」

そう言って上機嫌に目を細めると、落ちた書類を近くのローテーブルにまとめてこちらに向き直る。その様子を見て『でも…、』と言いかけたところで、不満げな表情を浮かべた彼に組み敷かれた。


「仕事と僕、どっちが大切なの?」

答えるまでもなく、首筋に鼻をすり寄せて「Aちゃんの匂い好き、」と口角を上げる彼の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。


( そんな自信満々な顔で聞くのは卑怯だよ )

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設定タグ:超特急 , 8号車 , 短編   
作品ジャンル:タレント
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sheep(プロフ) - りんさん» ありがとうございます(*´ω`*)気まぐれ更新で申し訳ないです…!頑張ります! (2017年11月11日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
りん - すごく素敵です!続き期待してます! (2017年11月9日 19時) (レス) id: 6430758306 (このIDを非表示/違反報告)
sheep(プロフ) - 福田キャットさん» コメントありがとうございます( ; ; )うれしい…!そう言って頂けると益々頑張れます!ありがとうございます( ; ; ) (2017年10月24日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
福田キャット(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています!これからも頑張ってください! (2017年10月23日 21時) (レス) id: 02d1fbcb72 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - sheepさん» こちらこそありがとうございます!遅くに何回もごめんなさい!じゃあ明日(もう今日だ笑)行きますね!おやすみなさい^^ (2017年10月7日 0時) (レス) id: eac264aa47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sheep | 作成日時:2017年10月2日 4時

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