3号車も時々嫉妬する ページ25
.
付けっぱなしのテレビなんて彼にとってはBGMでしかなくて、ベッドに寄りかかりながら夢中で見つめる先には常にスマートフォンかゲーム機。付き合い始めこそよく喧嘩になったものだけど、今となってはもう普通の光景になってしまった。
「A、鳴ってたよ。」
居間でココアを飲みながらぼけーっとテレビを観ていた私のところへ、ゲーム機片手に私のスマートフォンを持って来た稜雅。
『ありがとう〜』
「ん。」
画面を確認する私に「…で、誰から?」と続けて再びゲーム機に視線を落とす。
『会社の人だったよ』
「ふーん… 男?」
『あっ、気になっちゃう感じですか?』
「べーつにー?聞いただけですけどー?」
画面から目を離すこと無く口を尖らせて返す彼が子供っぽくて、少し遊んでやろうと明確に答えないままメッセージを返していると、痺れを切らした彼が私の手からスマートフォンを取り上げた。
「スマホじゃなくて俺見ろ」
目線を合わせるように前傾姿勢をとった彼と目が合う。ちらりと下に目をやると、いつの間にかゲーム機はたたまれて置かれていた。
『やっとこっち向いたー』
「いや答えになってませんけども。」
『会社の人は女の子ですけども』
「…へぇ、」
そう言って小さく溜め息を吐くと、「こんの思わせぶりめ」と一頻り私の髪をぐしゃぐしゃ乱してから、顔を両手で挟むようにして逃げ場を失くす。
「不安にさせた罰な。」
( ちょっとした遊び心で火が点いてしまった… )
.
458人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sheep(プロフ) - りんさん» ありがとうございます(*´ω`*)気まぐれ更新で申し訳ないです…!頑張ります! (2017年11月11日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
りん - すごく素敵です!続き期待してます! (2017年11月9日 19時) (レス) id: 6430758306 (このIDを非表示/違反報告)
sheep(プロフ) - 福田キャットさん» コメントありがとうございます( ; ; )うれしい…!そう言って頂けると益々頑張れます!ありがとうございます( ; ; ) (2017年10月24日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
福田キャット(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています!これからも頑張ってください! (2017年10月23日 21時) (レス) id: 02d1fbcb72 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - sheepさん» こちらこそありがとうございます!遅くに何回もごめんなさい!じゃあ明日(もう今日だ笑)行きますね!おやすみなさい^^ (2017年10月7日 0時) (レス) id: eac264aa47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:sheep | 作成日時:2017年10月2日 4時