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固まってる俺にAは不安げな表情
今度は俺からキスをして…今まで閉じられていた唇が少し開いた隙をついて中に侵入する
びっくりして逃げ回るAの舌を追いかけて捕まえた
時々漏れてくる甘い吐息に頭がクラクラする
Aは涙目になってた
その表情はずるいぞ
辞められなくなる
部屋に返してやれなくなる
1本の細い糸でなんとか繋がってる理性を保ってAを部屋に送っていった
朝食後、身体を動かしに行く者、雑談しながらリラックスしている者、昨日の試合を振り返っている者思い思いの時間を過ごしていた
「御幸、寝れたか？」
「うーん、あんまり…今日試合がないってのもあるけど、寝るのが勿体なくて」
それだけじゃねぇけど…
Aとのことですっかり目が冴えてしまってた
「わかる
東京に帰った奴もいるし、ぐーすか寝んのもな」
「それな」
東京じゃやってない番組もあったりして、夜更かししちまった
「あー！ねぇさんこんなとこにも載ってる！」
炎のリーリースエース沢村の文字を探していたバカ沢村は新聞を指さし大騒ぎ
「昨日の試合中継でも結構映ってたってクラスの奴から連絡来てたぞ」
「俺にも来てた、向こうのチームの美人チアの子といい勝負してたらしい
紹介しろってうるせぇの」
「Aかわいいもんな」
至る所から聞こえてくるAを絶賛のする声
「Aといえばさ、こっち来てからなんか雰囲気変わった？」
「わかる！なんか急に大人っぽく見えるつうか、色気？ドキッとすること増えたよな」
おいおいおいおい…やめろ…
聞きたくねぇ…
人の彼女に女を感じるなよ…
付き合うことになったって言ってねぇからしょうがねぇけど
聞くに絶えない…
Aがここにいなくてよかったと心底思った
第1試合を偵察に行ってたAはボロボロだった
「おいおい…どした？」
「人混みコワイ…ナベちゃん達とはぐれて、迷子になって、自分が行きたい方に全然いけないし…それで…」
「転んだんだな…」
膝と指に少し擦り傷を作って帰ってきた
「ナベちゃん達が見つけてくれなかったら帰って来れなかったかもしれない…」
「大袈裟だなぁ…」
救急箱を取ってきて消毒してからペタッと絆創膏を貼った
Aは方向音痴だし、大袈裟だと笑ったけど
なくはない話かもしれない
手当をしてからいってますとAに声をかけて球場へ向かった
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
