La ｆｉｎｅ9 ページ9
『……って、ザンザスさん？今何か言おうとしてなかったですか？』
「…別に、何でもねぇ」
『？そうですか………あっ、じゃあ靴脱いだら貸してください』
「………」
女にそういわれ、俺は無言で靴を渡す。
『ありがとうございます。では……えっと………』
フラフラと、おぼつかない足取りで歩く女。
………包帯を巻いてて見えねぇのか………。
「……チッ……おい」
『え？』
見ていられなくなった俺は、女の手首を掴む。そしてもう片方の手は背中にへと回し、そのまま前に歩き出した。
『あのっ……ザンザスさん？』
女は俺の行動に理解してないのか、少しよろけながらも前に歩く。
「どこだ」
『ぇ？』
「……靴をどこに置くか聞いている」
『あ……あぁ……えっと……とりあえず、ドアの前まで歩いてください』
スライド式のドアがあるでしょう？と女は付け足す。
女に言われた通り、俺は取っ手のついたスライド式のドアの前まで歩いた。
そして止まると、俺は女から自分の靴を取る。
『ザンザスさ―――』
「黙っとけ。自分の靴は自分で置く」
『……はい、ありがとうございます』
そういうと、女はにこりと緩く口に弧を描いた。
その笑顔がまるで…………、
【ザンザス―――】
……まるで……。
『？ザンザスさん、どうかなされましたか？』
「……いや……なんでもねぇ」
俺からの返事がないことに不思議に思ったのか、女が問いかけてきた。
その問いかけにハッとなり、考え込ませていた意識を現実に戻す。
『そうですか……あの、ザンザスさん。無理しないでくださいね？』
「……あ゛？」
『だって……ザンザスさんがいつも来るのって、たぶんですけど夜中……ですよね？夜中ってすごく眠いじゃないですか。なのにザンザスさんはわざわざ来てくれて………疲れ、たまっちゃいますよ？先程みたいにボーッとすることも増えますし………』
……なるほど。
どうやら女は、考えこんでいたのを疲れでボーッとしてたと勘違いしたらしい。
「別に疲れてねぇ」
……とは言い切れないな。
『本当ですか……？』
「あぁ。ちょっと考え事が多いだけだ」
『ならいいんですけど………あ、どうぞ。そこのベットに座って下さい』
俺の答えに女は納得したのか、さっそく本題に取り掛かろうとしている。
「………おい」
俺は女に言われた通り、ベットに腰を掛けると女に問いかけた。
『何ですか？』
窓の近くにいるせいか、綺麗な金髪が月光に反射し思わず見とれてしまう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【黒バス】刺されても痛いだけなんだけど・・・（汗）【境界の彼方】Part２ 【黒バス】花宮の幼馴染は花宮と違って純粋・・「普通だろ」
【黒バス】トリップ先の生活ほんまビックリの連続やわ〜【トリップ】もっと見る
「リボーン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
百合異乃(プロフ) - この作品、すごく楽しく読ませて頂いてます!!更新頑張って下さい！ (2015年6月6日 22時) (
レス) id: f4284e7a16 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 初めまして！ すごく面白いです！！ ザンザスの素直な気持ちが出てて読んでて楽しいです！ 更新楽しみにしてます！！ (2015年1月24日 19時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀iove - 面白かったです＾＾最新楽しみに待ってます!! (2014年9月1日 10時) (レス) id: eb2b47b9ce (このIDを非表示/違反報告)
MiA - この小説がスゴく好きです。ずっと応援してます!!! (2014年6月22日 21時) (レス) id: 9f43537076 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王１５８世(プロフ) - ボカロ隊長＠タピオカさん» え、何言ってるの？全部だよ(｀・ω・´) 私の主は全てが最高なんです！ (2013年11月6日 15時) (レス) id: e4f608cc50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ボカロ隊長＠タピオカ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bokarotaityou/
作成日時：2013年10月21日 19時
