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それから少し落ち着いて、今もまだ隣で背中を摩ってくれているのがちょっと恥ずかしくなってきて、もういいよと小さな声で伝えれば背中の温もりは消えていった。
涙は止まったものの鼻はずるずるで、箱ティッシュを引っ掴んでひたすら鼻をかむ。特別柔らかいものではない普通のティッシュだから、ちょっと鼻が痛い。


宮「翔太、鼻赤くなるよ」
「ん゛…鼻水、止まんねえから、」
宮「俺のやつのほうが柔らかいよ、使う?」
「……使う」


そう言うと舘さんは自分のカバンを漁りに行き、ポケットティッシュを手に取ってこちらに戻ってきた。
ありがたく受け取って使ってみると言っていた通り柔らかくて、少し痛んだ鼻に優しかった。


宮「あのさ、」
「おふたりともすみません!少し機材のトラブルがありまして、撮影開始の時間を1時間ほど遅らせていただきます!」
宮「あ、はい、わかりました」


舘さんが何かを話そうとした時、タイミングよくスタッフさんが入ってきて開始時間についての連絡がされた。
いきなり出てきてまた忙しそうに戻るスタッフさんの後ろ姿を呆けた顔で見つめる舘さんの顔が面白くて、少し笑ってしまった。


宮「…どうかした?」
「いや、…つか、さっきなんか言いかけてなかった?」
宮「ああ。…えーっと、まあでもちょうどいいか」
「?何が?」
宮「翔太、1回寝よっか」
「……はい?」


舘さんの口から今とんでもない発言が飛び出してきた気がする。
俺の頭じゃ処理しきれなくて、彼の顔を見ながら必死に脳をフル回転させてみてはいるが、どう頑張っても理解が追いつかない。

1回寝よっかってなに?


宮「はい、横になる」
「な、なななになに!?なにこれ!?」
宮「何って、膝枕」
「膝枕!?舘さんが!?どっ、はあ!?」
宮「はいはいうるさいよ翔太、せっかく1時間伸びたんだから存分に寝てよ」
「ちょ、まって、」


舘さんには俺の声が届いていないのかガン無視である。
無理やり膝枕をさせてきたかと思うと、片方の手でお腹あたりをぽんぽん、片方の手で俺の目を隠し本当に寝させようとしてきているのがわかる。

必死に抗うも案外居心地がよくて、眠気が襲ってくる。
うとうとしていると、彼の柔らかい声が聞こえてきた。


宮「翔太はさ、もう少し寄りかかりなよ」
「……ん、…?」
宮「なんでもない。はい、おやすみ」
「ん…、ぃや…」
宮「大丈夫だよ、ここは」



_メンバーのいる場所なら、大丈夫だよ。



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香さん - しょっぴーのだてさんの呼び方を良太にするともっといいと思います (12月2日 20時) (レス) @page22 id: 5b7efd0466 (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - みりぃ(緑璃)さん» ご感想ありがとうございます…!励みになります(_ _)今後も精進して参りますのでよろしくお願いいたします! (2022年12月22日 20時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
みりぃ(緑璃)(プロフ) - テンポのいい文章が読んでてとても心地良いです。これからも更新を楽しみにしてます (2022年12月22日 17時) (レス) @page44 id: e9c37a05cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さんかっけい | 作成日時:2022年12月4日 2時

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