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宮「…ほら、答えない」
「ぇ、いや……」
答えないというより、この状況は答えられないのほうが正しい気がする。
彼と合わせていた目線はいつの間にか下に下がっていて、テーブルに置かれたお菓子たちと目が合う。お菓子に目は無いが。
宮「最近の翔太、隈が濃い気がするんだよね。たぶん康二とか目黒とかも気づいてると思うけど」
「そう、なんだ」
宮「たぶんさ、翔太は別に隠そうとしてるわけじゃないでしょ、眠れないこと」
おっしゃる通りである。
俺自身は別に今のところ寝不足で困ったことは起きてないし、仕事もすべてバッチリやれている。
だから特別メンバーに話す必要はなかったし、変に隠しているわけでもなかった。
まあバレたらバレたで、普通に「そうなんだよね〜」って言っておけば安眠グッズとか紹介されたり強制膝枕させられたりで終わるだろうなと思っていて。
それなのになんで俺は舘さんに聞かれてこんなに動揺しているのか。産まれた病院が同じの幼なじみだから？
いや、きっと彼は
宮「……何が怖いの？」
「、なに、って…」
宮「怖い夢でも見るの？」
「ちがう…」
宮「独りが嫌になった？」
「ちが、う」
宮「うーん、夜が嫌とか？」
「……、なぃ…」
宮「ん？」
「、っわ、かん、な…！」
舘さんから聞かれて、その優しい声に誘導されたのか気づけば涙が溢れ出てきていた。
自分でも突然すぎてなんで泣いているのかわからなくて、止めようとするけれどそれに反してどんどん流れてくる涙。
撮影はもう始まるだろうし止めなきゃいけないのに、どうやって止めたらいいのかがわからなくて若干パニックになってきているのが自分でもわかる。
舘さんもそれに気づいてくれたのか、俺の隣に座り、ゆっくりと背中を摩ってくれた。
宮「翔太、大丈夫だよ」
「っぐ、ひ、…ぁ、わか、ない、っのが、」
宮「うん」
「お、れ、…ぅ…っわかん、ない…の、うぅ…こ、わ…ぃ…！」
宮「そっか、わかんないのが怖いか」
泣きながら無理やり発した俺の声をちゃんと聞いてくれて、否定せずに頷いてくれる舘さんの存在がありがたくて、先程までの漠然とした不安が徐々にかき消されていくのがわかる。
そして、俺自身もまたようやくわかったのだ。
ああ、俺はずっと不安だったんだ。
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香さん - しょっぴーのだてさんの呼び方を良太にするともっといいと思います (12月2日 20時) (
レス) @page22 id: 5b7efd0466 (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - みりぃ（緑璃）さん» ご感想ありがとうございます…！励みになります(_ _)今後も精進して参りますのでよろしくお願いいたします！ (2022年12月22日 20時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
みりぃ（緑璃）(プロフ) - テンポのいい文章が読んでてとても心地良いです。これからも更新を楽しみにしてます (2022年12月22日 17時) (レス) @page44 id: e9c37a05cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんかっけい | 作成日時：2022年12月4日 2時
