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気づいたらちょっと暑苦しくて、寝ぼけた頭で掛け布団から抜け出そうとする。
だけど何かに押さえつけられているようにビクともしなくて、一体何があるのかと重たい瞼を開いた。
「…ん、?…え?」
俺の腹の上には見たことしかない黒い頭。
自分の腕を枕にして寝ているのか、規則正しい息で背中が上下している。
…なんで?なんでこいつが俺の家にいるの?
熱で鈍くなっている脳をフルで働かせ理由を考えるも何も出てこない。
俺の腹の上で眠りにつくラウールがいつどうやって家に来たのか、なんてわからない。
1人静かに困惑していると、ガチャリと寝室のドアが開く音がして、びっくりして目線をそちらに向けた。
そこに立っていたのは、またもや見たことしかない姿であった。
岩「おぉ、起きた?」
「ひ、…え、?ひかる?」
岩「ふっかのそんな顔久々に見た(笑)体調は?」
「あ、ぁ、…え…だい、じょうぶ、?」
岩「ほんとかよ…さっきまで苦しそうにしてたくせに。はい、熱測って」
「お、…うん」
ラ「うぅ〜〜〜、ん……ふっかさ、?」
特に声を潜めることもなく普通に話していたせいか、ラウールが目を覚ました。
上半身を起き上がらせている俺を見て、半分しか開いていなかった目をすぐさまパキッとさせ、その顔が面白くて戸惑いつつも笑ってしまった。
ラ「ふっかさん!大丈夫?気持ち悪くない?」
「おー、だぁいじょうぶよ。…あー何?2人とも看病しに来たの?」
ラ「たまたま岩本くんとお出かけしてて、弾丸でふっかさん家行ってみようかってなって、」
岩「インターホン鳴らしても出ないから合鍵使って入ったらしんどそうにしてて。まあ、看病はたまたま?」
なるほど、そういうことだったのか。
2人の話を聞いて素直に嬉しく思えてしまって、自然とにやけてしまう。
2人もそんな俺の顔を見てニヤニヤしていて、ちょっと恥ずかしくなって俺はベッドに逆戻り。
ラ「えーーーなにふっかさぁん!かぁわい〜!」
「うるせえ!ニヤニヤすんな!」
ラ「だぁってそんな嬉しそうな顔されちゃあ、ねえ?」
「だあぁ!見んな!」
ラ「えぇ〜〜顔見せてよ〜〜」
岩「はいはい、じゃれ合いは後にしろ。ふっか、早く熱測って」
「……ん」
_そういえば、アイス買ってきたんだよ!
_ふっか何味がいい?バニラとチョコといちご。
_……バニラ、がいい。
完
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香さん - しょっぴーのだてさんの呼び方を良太にするともっといいと思います (12月2日 20時) (レス) @page22 id: 5b7efd0466 (このIDを非表示/違反報告)
さんかっけい(プロフ) - みりぃ(緑璃)さん» ご感想ありがとうございます…!励みになります(_ _)今後も精進して参りますのでよろしくお願いいたします! (2022年12月22日 20時) (レス) id: 354f0ed835 (このIDを非表示/違反報告)
みりぃ(緑璃)(プロフ) - テンポのいい文章が読んでてとても心地良いです。これからも更新を楽しみにしてます (2022年12月22日 17時) (レス) @page44 id: e9c37a05cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんかっけい | 作成日時:2022年12月4日 2時