伍拾壱 ページ4
「…」
部屋の戸を閉めると、また廊下に一人。
時透くんは、すぐに帰って来るとは言ってはいたものの、柱の任務なのだから、前回のように、早くは帰ってこられないだろう。
重い足取りで自分の病室へと向かった。
手を扉にかけ、部屋に入った瞬間、ふかふかのベッドが目にうつる。
「…あー!時透くんに会いたいー!好き過ぎて無理ー!」
と言ってベッドにダイブした。部屋には私しか居ない。
私の頭大丈夫かな??
「…何ヲシテルノ?」
布団に埋もれた顔を後ろへ向けると、窓の枠に私の鎹鴉がとまっていた。
「あっ、気配がすると思ったら、千雨じゃない!元気?」
「ソレヨリモAノ頭ガ心配…」
「だって時透くん格好良いんだもん!」
「…」
なんとか言ってよ!!
と、心の中でツッコむ。
「…マア、ソレハ置イテオイテ」
「ちょちょ、ちょっと!置いとかないでよ!」
「霞柱ノコトニ関シテハ慎重ニイカナイトAガ暴走スルカラナ…」
ぼ、暴走だなんて。人聞きの悪い。
時透くんへの愛が溢れてるだけだよ?
って、本人にこんなこと言ったら言葉の力で半殺しにされちゃうかも…
まあ時透くんになら半殺しにされてもいいよ!!
…あれ、私ってM??
その前に愛が溢れてるとか絶対言えないだろうな。
恥ずかしすぎて。
あ、今千雨と会話してるんだった。
と、ふと我に返る。
「あ、で、何か言おうとしてたよね?」
「嗚呼、ソウソウ。霞柱ノ鎹鴉カラ伝言。
『ウチノ無一郎、長期任務ニ行クコトニナッタカラ、アンタノ主人ニ伝エテオイテ!』
ダッテ。」
「長期任務!?…ていうか銀子ちゃんの声真似上手だね。」
「ヘヘン」
いや…それにしても、長期任務!?
数時間時透くんに会わないだけでこんなことになっているのに、この先何日も会えないで生きてゆけるのだろうか。
胸が締め付けられる。
「A?」
「いや…ちょっっっっっと無理かも…」
「…何ヲ言ッテルノ。ヤッパリ頭オカシイノカナ。」
あれ、もしかしてうちの子、どこぞの霞柱さんに似てきてる??
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美雨音トウカ - なずなさん» そんな風におっしゃって下さるだなんて、とても嬉しいです!モチベーション凄くあがります…!これからも頑張って更新しますので、是非宜しくお願い致します! (4月21日 11時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 心臓が…爆発…しました……最&高です!!! (4月14日 16時) (レス) @page19 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年3月20日 0時