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陸拾参 ページ16

宇髄さんの言葉をきいて大きく開いた瞳でこちらを見上げる時透くん。

「えっ、それ本当なの?ねえ、」
「コイツ、お前が思ってるよりお前のこと好きだぞ。っな?天泣?」

は、派手柱め!余計なことをッ!
宇髄さんの言葉に全身の血が全て顔に集まっているのではないかと錯覚するほど赤く染まり、両手で必死に隠す。
さらに、先程私が時透くんのことを押し倒してしまったことで、現在、起き上がった時透くんの上に座ってしまっている状態である。心臓が爆発しそうだ。いや、もう爆発したわこれ。

「ちょっと、顔、隠さないでよ。」
「いやっ、」

抵抗しようとしても、柱の彼には叶わない。顔に添えられていた両手は時透くんの手によって簡単に離された。

「…顔、真っ赤だね。」
「わ、わざわざ言わないでよっ!てか最初からわかってたよね!?」
「何が?」

そう言って、こてんと首を傾ける時透くん。
うっ、それはずるい…
心の臓の鼓動が少しずつはやくなる。
しかし、ここで宇髄さんが口を開いた。

「おい、お前らそろそろいくぞ、まったく…あっちに煉獄もいるからよ」
「は、はいっ」

こうして不覚にも、宇髄さんの救済のおかげで二つ目の心臓が爆発することは免れることができた。



「む!時透!任務ご苦労であった!」
「うん…ありがとうございます。」

口ではお礼を述べているが、その瞳は空を見上げており、無表情の時透くん。しかし、その姿も、また様になる。
嗚呼…好きっ。

「そーいえば時透、お前長期任務だったんだよな?終わるの早かったな。一ヶ月くらいかかるとかなんとか言ってなかったか?」

宇髄さんの言葉で、現実に引き戻される。つい時透の横顔に見惚れていた。

「ああ…はやくAに会いたかったから、凄く頑張ったんだ。」
「いや凄く頑張るで一ヶ月の任務を一週間で終わらせる奴があるかよ。やっぱ天才剣士はちげえな…」

えっ、えっ、?私のためにはやく終わらせてくれたの?
はやくなる鼓動をごまかすように、手を胸にあてる。

「そうかな…でも僕、本当に頑張ったんだよ。凄く頑張った。


…だからさA、何かご褒美頂戴?」

と、言われ、体が硬直する。急に話を振られたもんだから、肩がびくりと揺れた。ずっと見つめていた時透くんの顔は、いつの間にかすぐ隣にあった。

「ご、ご褒美って、何を?」
「…僕が決めていいの?」
「うん、時透くんが欲しいもの。」





「じゃあ、Aと逢引したい。」





あぁなんだ、逢引か。



…ん?

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美雨音トウカ - なずなさん» そんな風におっしゃって下さるだなんて、とても嬉しいです!モチベーション凄くあがります…!これからも頑張って更新しますので、是非宜しくお願い致します! (4月21日 11時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 心臓が…爆発…しました……最&高です!!! (4月14日 16時) (レス) @page19 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年3月20日 0時

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