Glitter

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｢マジェマジェでーーす｣


おざす！と舞台の方で声がする。もうマジェマジェのパフォーマンスが始まる。袖で聞きたい。


｢今日はね、ちょっとテンションが上がってしまってね、昨日酒を飲みすぎました｣

｢何故かって言うと、今日のライブが楽しみすぎて。もう酒が止まらん止まらんのよ！｣


止めてくれ、という落ち着いたメンバーの声を振り切ってAさんは言った。


｢わたし、いつも歌詞書く時はメンバーの誰かにそばに居てもらいます。だいたい道が逸れて行き詰るから。

でもなんだか今回はめちゃくちゃ上手く行きました。しかも作ろうと思って作ったんじゃなくて、ずーーっと頭の中におったやつらが、す〜っと収束してく感じで歌詞が決まって｣


一発目新曲ってキモイ？と確認を摂ると、拍手で盛り上がる会場。

やったね、ここだけやからね、とAさんは嬉しそうにマイクを掴んだ。


｢ちょっと匂わせになるかもしれません！いいや！匂わせでもいいじゃないか！むしろ匂わせの方が想像が膨らんでいいじゃないか！？そうじゃないか！？


聞いてくだーたい！5959(ごせんきゅうひゃくごじゅうきゅう)｣


すぐ後ろで｢やってんな、あの人｣と辻さんが呆れて言った。でもその声色は嬉しそうすぎる。

身振り手振りで歌うAさんに、目が離れなかった。きっと5959という曲は、俺たちを考えて作った曲だ。

しかし聞いていくと、サングラス、とか、小粋なダンス、とか、不機嫌フェイス、とか、明らかに俺を匂わせるような歌詞ばっかり。

え、なにそれ、と気づいてからずっと体が熱い。めちゃくちゃなことしてるやんこの人、と恥ずかしくなりながらも、ちゃんと最後まで曲は聞く。アップテンポの最高にアガる曲だった。


｢じゅーん！｣


ありがとうございましたあ、と終わった一発目。新曲でこんなにアガるもん？タオル振り回してる人もおるやん。


｢さてさてこっからは聞いたことがある曲が続きますが、みんなは退屈からescapeできるかな？｣

メンバー｢何その言い方？｣


レッツゴー！とAさんはジャンプする。いやいや、流石に可愛すぎるわ、と頭を抱えた。










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