Glitter

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きんside










今日はマユリカの様子がおかしかった。


それに気づいたのは多分俺が最初。


えらい同じ方向ばっかり見るから、なんやと思って俺も客席の方に見やると、見た事のある顔が見えた。


Aさんや。今日見に来てたんや、俺の出番の時おらんかったけどな、と首を傾げる。


仕事忙しかったんかな、とぼーっと考えてると、横からブツブツなにか聞こえてくる。


阪本だ。めちゃくちゃ真剣に大喜利してる。


違う、これじゃない、とかいいながらめちゃくちゃ書いてる。


怖。やる気に満ち溢れすぎやろ。


中谷はAさんの方ずっと見て笑ってるし、揃いに揃ってキモイねん。


阪本が本気出したからコーナーはめちゃくちゃ盛り上がったけど、概要知ってる俺からしたら不気味でしゃあない。


あーあ、こんなキモイマユリカと多分、この後Aさんは飲みに行くんやろうなあ。


可哀想やなあ。Aさんがマユリカに引っ付かれませんように。変なセクハラ受けませんように。



以前、たまたまAさんと帰りが一緒になった時がある。



Aさんは商談の帰りとかでなんばに来ていて、


俺達も出番が終わったから帰ってるところでバッタリ出会ったのだ。


俺と一緒におる時の阪本もだいぶテンション高いけど、


Aさんが前から歩いてきたのを理解した阪本のテンションの上がり方がほんまに、


一気に水が沸騰したやかんみたいにピーーって暴発して｢A！！！！！｣って名前呼んで。


周りの注目集めまくって、Aさんがめっちゃ迷惑そうな顔してたんはすごく鮮明に覚えてる。


阪本｢何してんねんこんなところで！！職場新大阪やろ！？


おいおい〜俺に会いに来たとか言わんといてくれや〜？｣


｢言ってないわ！てか声でかいって！何がそんなに嬉しいん、たまたまあっただけやん｣


阪本｢は？！嬉しくないし！Aおったから声掛けただけやんだる！自意識過剰やわほんま｣


｢はいはい。……あ、もしかして……｣



俺の方を見たその目がすごく綺麗で、思わず息を飲んだ。


こんな綺麗で華奢な人に、阪本はよくあんな荒い絡み方を出来るもんやな、と背筋が凍った。












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