▶︎ ページ35
.
なにそれ?と笑って聞くと、至極真面目な顔でAは言った。
「私独自のおまじない。結構効くねん、これ。
消耗品に願い事を書いて、それを使い切ったらその願いが叶うとかさ」
中谷「えらいファンタジーな考え方」
「言わば毎日を楽しく生きるライフハック。人生楽しんだもん勝ち」
ちなみに願ったことを言うのも条件、口に出すと叶いやすくなる、
と人差し指を立てた。
丁度、観覧車も頂上に来たらしかった。
相変わらず景色は綺麗だ。
「じゃあ私は……」
そう言って、Aは目を閉じる。
思わず息を飲む。
「今年M-1の決勝を、マユリカと行けますように」
中谷「ええ?笑 でも、ライバルやで?」
「いいの!記念!」
いつまでも楽しく暮らせますように、と真剣に願うその姿は、
好きでいる俺をキュンキュンさせるには十分なもので。
完璧に好きな女のあざとい行動で俺は取り乱していた。
えーーい、勢いで言ってしまえ!と慌てて口を開く。
中谷「あーじゃあ俺は、その、……そうやな、Aと……」
「私と?」
中谷「Aと……、
いつまでも……仲良くできたら……」
いいな、と控えめに笑った。
結局俺は取り繕ってニカニカできるだけで、
いちばん大切な時は踏ん張りすら効かない。
男として失格すぎやしないか。
はあ、とため息が出そうになった時、目の前のAが笑った。
「まだ頂上やで」
中谷「……え?」
「頂上におる限りは、願い事はし直せる。」
ホンマにそれでいい?とAは意地悪そうに笑った。
気づいてない、と思っていた分、
油断していたのがガッと俺に襲いかかる。
深く俯いて、Aには顔を見せずに呟いた。
中谷「……Aと、お、お付き合いしたいです……。」
.
217人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流(プロフ) - 優香さん» お久しぶりです〜😭りぼんやっぱりマストなんですね……私はばっちりコロコロ読んでました 論外すぎる (2023年5月11日 1時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
優香(プロフ) - お久しぶりです!ちゃおとりぼんで吹き出しました笑 私はりぼんとなかよしでしたw (2023年5月9日 23時) (レス) @page36 id: aada9f26af (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - △さん» わーー良かったです〜😭ちゃんとオチとして落とせたのか不安でしたがそう言っていただけて安心しました……😢❤️この小説執筆意欲のフルエンジンかかってる時に書いたのでめちゃくちゃまとまってます笑 (2023年5月7日 10時) (レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - さかよさん» コメントありがとうございます😭やっぱり東京進出悲しいくて書いちゃいました😭こちらこそこれからもよろしくお願いします🙏 (2023年5月7日 10時) (レス) @page28 id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
△ - 秋定さんと星座の話めちゃくちゃ最高でした!!!全部が全部刺さりすぎて放心してます!!!公開してくださってありがとう!!!!!! (2023年5月7日 1時) (レス) @page30 id: 733d145fde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:流 | 作成日時:2023年2月22日 2時