au car ? 【東海オンエア】

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兄夫婦が会いたい、というので２人のところへ行くことになった。
実際もう後1ヶ月足らずで日本を離れるので、会っておこうと思っていたし。





久しぶりに兄夫婦に会えば、相変わらず奥さんは綺麗で、お兄ちゃんは幸せ太りで少し前よりふっくらしていた



「Aも元気そうでよかった〜」





「いえいえ、お兄ちゃんたちこそ。」





「この前もAがテレビに出ててもう誇らしくてたまらなかったよ。できのいい妹でよかった」




「褒めてもなんもでないよ」





昔からお兄ちゃんとは周りの兄弟よりは仲が良くて、喧嘩は片手で数えられるくらいしかしたことはない。



そうさせたのは今は海外に移住している自由奔放な親が原因かも知れないが




とにかく私は誰よりも優しいお兄ちゃんも大好きだし、奥さんも凛として綺麗で私にも昔から優しくて大好きだ。




懐かしい話や最近の近況報告をお互いにして楽しい会となった。





帰り際に携帯が鳴ったと思えばてつやから



「終わった？ちょうど今出てるから迎えに行くか？」



とメッセージ。

珍しい、「お願い、いまレストラン●●の前にいます」と送れば10分足らずで車が止まった






「あ、じゃあ迎えがきたから」



なんて話してると車のドアが開いててつやが私たちの元に出てきた




「お久しぶりです、てつやです」





「あれ、てつやくんじゃないか！久しいなぁ、大きくなったね。Aがお世話になってます。あれ、もしかしてAと付き合ってるの？」




「そうです、お付き合いさせていただいてます」




「いやいや違うでしょ！」



鋭く突っ込むと、いいじゃん、という顔でこっちを笑いながら見るてつや。





「またまたAは素直じゃないな、俺も心配してたんだぞ、'あの時'のお前見てられなかったからさ」




'あの時' きっとそれは私が彼と別れた時……その言葉を聞いて咄嗟にフラッシュバックがおきる。




体に尋常じゃない冷や汗が滲んで、手が震え始めた





「仕事無理やり入れて倒れそうなお前見てて本当に父さんも母さんも心配してたぞ」




「あの日本当に…」






もう耳が遠くなってお兄ちゃんの声が入ってこない。





鼓動が早い。視界が歪む。手の小刻みな震えが止まらなくなってバックをつかむ手を後ろに組もうとすると






グッと手をてつやに握られた。
まるで大丈夫だからってテレパシーを送るように。

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