俺の好きな人には好きな人がいます

ー２９ ページ47

ー社員寮ー
『ｯ…』


四宮「大丈夫か？」


『はい…すみません…』


四宮「貧血だって。」


『貧血…』



昨日は成瀬に言われたことが図星で体調が悪くなったと思ったけど、本当に悪かったのか…



四宮「ごめん。」


『え？』


四宮「本当に俺はAに負担かけさせてばっかりだな…」


『そんなこと…』


四宮「キャプテンもAの様子が気になっていたからこそ聞いてこられたと思うし…」



確かにおっちゃんはこれから春田のことをどうするかということも聞きたかったかもしれないけど…


俺がシノさんを諦められるように話してくれた。


だからシノさんが



「これ以上の関係を望んでいない」



と言った時に本気で驚いた顔をしていた。



四宮「Aは何を抱えてるんだ。」


『たいしたことじゃないです。』


四宮「たいしたことないだろ。倒れるまできたんだから。」


『俺にとっては一大事かもしれませんが、シノさんには関係ないことです。』


四宮「キャプテンには話せてか…？」


『はい。』


四宮「そうか。」


『すみません…もし話すタイミングがあったらお話します。』


四宮「あぁ。」



俺がシノさんに話すタイミング…


それはもう告白だ。


だから絶対にそんな時は来ない。


シノさんは春田じゃないと幸せになれないと思うから。

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