俺の好きな人には好きな人がいます

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朝起きると横にはAがいなかった。


そして、寮にも…


周りに聞いても誰も見ていないと言う。


もちろん春田も。


昨日の話は聞いてもいいものなのか…


聞かない方がいいものなのか…


今日の午前中、Aには会えずに1人グルグル頭の中でそのことばかり考えていた。



ー空港ー
黒澤「…みたいなんだ。」


『いや、ごめん。知ってた。』


黒澤「そ、そうなのか？でも昨日言っていなかったじゃないか。」


『だって昨日はおっちゃん俺の話ばっかり聞いてくれてたから…』


黒澤「いや、それはそうなんだが…」



Aと黒澤キャプテン…!?


俺はなぜか2人に見つからないように壁に隠れてしまった。


別に隠れる必要はないけど…



黒澤「そういうAはどうなったんだ？」


『また俺の話…？』


黒澤「Aも俺の息子みたいなものだからな。幸せになってほしいんだよ。」


『そう…でも、俺の話は昨日さんざん聞いてもらったから。それにおっちゃんがそう言うなら、俺だっておっちゃんに幸せになってほしい。』


黒澤「…まだ確証が持てないんだ。」



声を聞いているだけでわかる。


珍しくキャプテンが弱気だってこと。

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