俺の好きな人には好きな人がいます

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橘「さっき、春ちゃんが聞きに来たよ。」


『聞きに来た？何を？』


橘「A君が昔、男の人と付き合ってたことがあるのかって。」


『春田が？またなんで、あいつが…』


シノさんなら分かる。


でも、春田にそんなこと言った覚えないんだが…



橘「聞かれたんだってさ。」



緋夏は何か含みのある言い方をしていた。


……まさか……



『シノ…さん…？』


橘「正解。私、A君に謝らなきゃいけないことがあって…」


『何？』


橘「流れで名前までは言わなかったけど、A君に好きな人がいるって言っちゃった…ごめんね…」


『そっか。』


橘「本当にごめんね…春ちゃんのこと嫌ってたかもしれないのに…」


『…嫌ってた？あぁ…確かに遠ざけてはいたがそんなんじゃない。』


橘「え？そうなの？」


『本人には嫌ってるってオーラは出してるけど…春田は邪魔…いや、これは単なる春田に対しての嫉妬。』


橘「…ふふっ。」


『なにか面白かったか？』


橘「いやぁ、あのA君が嫉妬する日が来るなんてね。今までずっとされる方だったのに。」


『…それはそうだな。それもまさかあの春田にする時が来るなんて思わなかった。』


橘「高校の頃は逆だったもんね。じゃあ、私はそろそろ行こかな…」


『おぉ。』


橘「あ、私はいつでもA君の味方だからね。」


『ありがとう。』


橘「うん、またね。」


『またな。』

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