【 鬼滅の刃 】伊之助さんとそんな日々【 嘴平伊之助 】

伊之助さんが強く願う日 ページ40

伊之助side
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暗ェ

暗ェのに、何でいねぇんだよ



｢ オイカナコ!! ｣

カナ ｢ ? 伊之助、どうしたの ｣

｢ あいつ、知らねぇか?
Aが何処にもいねェんだよ ｣

カナ ｢ A? ｣



外が暗い、もう夜だ

鬼の、活動する時間



カナ ｢ わ、分からない
お昼頃、街に用があるって出ていったきり… ｣

｢ ッハァ!? 何だあいつ、出かけてたのかよ!? ｣



うん、と頷くカナヲを見て冷や汗

出かけたっきり知らねぇってんならあいつ、もしかして



｢ まだ外に…ッ!! ｣



クソ、嫌な予感がプンプンしやがる
夜に一人で出歩くなっつったの覚えてねーのかよ

慌てて蝶屋敷を飛び出そうと走る



胡 ｢ ッ! 伊之助くんっ ｣

｢ ア!? ｣

胡 ｢ 伊之助くん、落ち着いて聞いてください。

…Aが、鬼に ｣



鬼に攫われました
静かに、でもどっか不安を隠しきれてねェ様子でしのぶが言った



胡 ｢ 最近この辺で人攫いの鬼が出るとの噂がありました
恐らくはその鬼がAを… ｣

｢ クッソ…!! ｣

胡 ｢ 伊之助くんっ!? 一人では…っ ｣

｢ うるせェッ!
俺はまだあいつにッ あいつに言ってねェんだよ!! ｣



あいつに伝えてねぇんだ

スキって思う、この気持ちを



｢ 鬼に奪われてたまるかよ…ッ ｣



しのぶが俺を呼び止めた気がしたけど、んなの気にしてらんねぇ

俺は蝶屋敷を飛び出してひたすら走る

クソ、どこにいやがるクソ鬼がッ



｢ 俺の許可なく…っ
Aのこと攫ってんじゃ、ねぇえぇぇッッ!!! ｣



鬼の気配、鬼の通った道、鬼がどこに向かったか
鬼が今どこにいるか

Aがどこにいるのか。

その感覚を、全部逃さねぇように神経を研ぎ澄ませる



｢ どこだ…ッ どこだよ
クソ、クソッ!! ｣



ああクソ

鬼の気配、確かにあんのに

Aが無事か、それが気になってしょうがねぇ
あいつにもしもの事があったら俺は

俺は、どうすりゃいい



｢ 弱気になんじゃねーぞ俺!! ｣



俺様らしくねぇぜこんなの

Aの気配も確かにあんだ、近くに
まだあいつは生きてる、大丈夫

ぜってぇ守る、そう誓って俺は足を止めない



｢ 待ってろよ鬼ィ
その頚ぶった斬ってやるからよォ!! ｣



待ってろよ、A

俺がお前に、スキって伝えるまで
死ぬんじゃねぇぞ

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