伊之助さんに伝えるのを諦める日 ページ39
私ってば何してるの…!
なんて今更、自分の行動を思い出して一人で悶える
『 でも、いつの間にか安心して寝ちゃったなあ 』
先日の夜のこと。
眠れなくて、彼の部屋に行った
少しだけ一緒にいるつもりだったのに、まさか朝まで寝てしまうとは予想外だったけど
『 私、どれだけ伊之助さんのこと… 』
眠れなくて人肌が恋しかったからって
一番最初に頭に思い浮かんだ人が伊之助さんだなんて
どれだけ私は、彼のことが好きなのだろう
恋を自覚してから、更に恋心が加速した気がする
『 好き、って
伝えたいな 』
伝えるつもりはなかったけれど
一緒にいると心が溢れてしまって、
伝えないままでいいなんて、思えなくなってしまった
『 伝える、言うんだ、好きって 』
緊張するけど、伝える
なんて、
思ってたんだ、あの話を聞くまでは。
隊1 「 なぁ、恋人って欲しいと思う? お前 」
隊2 「 何だよ突然 」
誰だろう、見たことない人達だな
私の知らない鬼殺隊の男の人たちがなんの、たわいもない話をしていた
それだけだったんだけど。
隊1 「 前にさ、俺告白されたんだよ、ある女の子に 」
隊2 「 はぁ? いいじゃん、てか自慢かよ 」
隊1 「 いや、自慢じゃねーよ!
俺、断ったんだよね、その告白 」
隊2 「 何でよ、好きじゃなかったから? 」
男の人たちにしては珍しい、恋のお話か
ふざけ合いながら話しているその声が結構大きいから
少し離れた場所にいる私の耳にもしっかり届いた会話
隊1 「 いや… 告白自体は嬉しかったよ
その子可愛かったし 」
隊2 「 じゃあ何でだよ 」
隊1 「 だって、恋人なんて作ってみろよ
俺ら仮にも鬼殺隊だぜ? 恋人なんて関係、足枷になるだけだろ 」
お互い、いつ死ぬかも分からない
自分の身を守るだけでも必死なのに、恋人なんていたらさ。
重荷だと、その男の人は言った
『 おも、に… 』
そうか、確かに
そうか、そうだよな
と、妙に納得した
鬼殺隊はお遊びじゃないんだ、常に命懸け
私が蝶屋敷で皆の無事を祈ってる間、彼らは命を懸けて鬼と戦い、人を守っている
『 伊之助さんも 』
伊之助さんも、そうだ
私、恋してから浮かれていた
自分のことしか考えてなかったんじゃないか
彼は鬼殺隊だ、命を懸けて戦う鬼殺隊の一人。
そんな彼に好きと伝えたら、どうなるの
『 あの人の言う通り、足枷になる…? 』
そんなの、嫌
重荷になるのは
好きなんて、伝えられない
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しゃび(プロフ) - 羅門茶.さん» コメントありがとうございます。一気読みしていただけて嬉しいです!伊之助が大好きなのでその気持ちを爆発させて書いた小説なので個人的にも思い入れの深い作品になっています。嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年6月1日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
羅門茶.(プロフ) - 素晴らしい作品で一気読みしてしまいました(T ^ T)この作品大好きです、、 (2020年5月23日 15時) (レス) id: efacd8ff92 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Znさん» コメントありがとうございます。恋愛に対して不器用で可愛らしい伊之助を書きたかったのでそう言って頂けて嬉しいです...!嬉しいお言葉ばかりありがとうございます。他の作品も拙いものばかりですが少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年3月10日 10時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Zn(プロフ) - 本当に素晴らしい作品に出会いました!!もう毎話毎話伊之助の可愛さに震えてました、、他の小説も読んで見ようと思います。 (2020年3月8日 21時) (レス) id: 5d97af5082 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 饅頭さん» コメントありがとうございます。神だなんて勿体ないお言葉ありがとうございます...!思い出深い作品なのでそう言っていただけてとても嬉しく思います。完結してる作品ですが、暇な時にでも読み返して貰えたら幸いです! (2020年3月2日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年2月7日 18時