伊之助さんと一緒に寝た日 ページ37
『 ッ!! 』
嫌な夢を見て飛び起きた
外はまだ暗い、深夜のこと
『 はぁ… 』
嫌な汗が伝う、息が詰まる
『 大丈夫、夢だから 』
あの時の夢
いつまでも忘れない、鬼に家族を殺された日の夢
血腥い匂いまでするくらいの現実的な、辛い、苦しい夢
『 寝よう 』
忘れたくても忘れられないけど
今の私は独りじゃない
救ってくれたしのぶさんも、仲良くしてくれるアオイやカナヲちゃんもいる
それに、私の好きな
伊之助さんだって、いるんだ
『 ………、眠れない 』
起こした体を寝かせて無理矢理目を閉じても、またあの夢を見るのが怖くて眠れない
『 …こんな時間に、迷惑かな
迷惑だよね 』
そう思いながらも、私の足は自然と彼のいる部屋に向かう
伊之助さんの寝ている部屋
『 …寝てる、よね 』
そっと扉を開け、寝てるであろうベッドに近づく
うわ、寝顔も美人
『 勝手にごめんなさい 』
でも今は、独りでいたら壊れてしまいそう
だから、ここにいさせて、私の好きな人
「 ……何してんだ 」
『 !!!
い、いのッ、伊之助さ 』
少しだけ距離をあけて、そっとそぉっと彼の布団に潜り込もうとしたら、突然腕をガッと掴まれる
起こしてしまった
『 ごめんなさ、あの
今どきます…っ 』
恥ずかしさとか、迷惑かけてしまったとか、色んな感情で焦って急いで布団から出ようとする私
「 勝手に入ってきて勝手に逃げんなよ 」
『 ッ、
い、いのすけ、さん 』
「 …入りゃいいだろーが 」
ん、と不器用に布団に隙間を作ってくれる伊之助さん
え、え…
それは、入っていいっていう合図なの?
『 い、いいんですか 』
「 ア? 勝手に入ろうとしてたのそっちだろーが! 」
『 そ、そうですけど 』
「 めんどくせェ
こっち来いっつってんだろ 」
『 わ、ッ 』
ぐっと掴まれていた腕を引っ張られ、伊之助さんにくっつく形で布団の中に引き込まれる
わ、近
近い、伊之助さんと私の間に隙間がない
肌が触れ合って、
ダメだ、ドキドキ、変になる
『 あ、あの 』
「 ンだよ 」
『 起こして、すみません
眠れなくてつい… 』
「 だから俺ンとこ来たのかよ 」
『 は、はい 』
眠れないなんて、子供か。
へへ、と照れ笑いすれば
あれ、私の腰に回された伊之助さんの腕に力が篭もる
『 へ!? 』
「 …ねみぃ 」
『 い、伊之助さ…ッ!? 』
待ってこのまま寝るの?
もっと眠れなくなってしまった
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しゃび(プロフ) - 羅門茶.さん» コメントありがとうございます。一気読みしていただけて嬉しいです!伊之助が大好きなのでその気持ちを爆発させて書いた小説なので個人的にも思い入れの深い作品になっています。嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年6月1日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
羅門茶.(プロフ) - 素晴らしい作品で一気読みしてしまいました(T ^ T)この作品大好きです、、 (2020年5月23日 15時) (レス) id: efacd8ff92 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Znさん» コメントありがとうございます。恋愛に対して不器用で可愛らしい伊之助を書きたかったのでそう言って頂けて嬉しいです...!嬉しいお言葉ばかりありがとうございます。他の作品も拙いものばかりですが少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年3月10日 10時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Zn(プロフ) - 本当に素晴らしい作品に出会いました!!もう毎話毎話伊之助の可愛さに震えてました、、他の小説も読んで見ようと思います。 (2020年3月8日 21時) (レス) id: 5d97af5082 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 饅頭さん» コメントありがとうございます。神だなんて勿体ないお言葉ありがとうございます...!思い出深い作品なのでそう言っていただけてとても嬉しく思います。完結してる作品ですが、暇な時にでも読み返して貰えたら幸いです! (2020年3月2日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年2月7日 18時