伊之助さんが気づき始めた日 ページ33
伊之助side
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「 オイ! 紋逸に権八郎!! 」
善 「 善逸だってば 」
俺の声に振り返るそいつらに、ズンズンと近づく
善 「 えっ何、近い近い 」
炭 「 伊之助、どうしたんだ? 」
「 ンン… 」
こんくらいの距離か? いや、もう少し近ェか
善 「 いや近いって!! 何!? 気持ち悪いんですけど! 」
「 アァ!? んだとテメェッ 」
善 「 何で何で!? 俺悪くなくない!? 」
気持ちわりぃとか言いやがった紋逸の胸ぐらを掴みあげる
これも近ェな
炭 「 伊之助、さっきからどうしたんだ 」
「 ……何か、違ェ 」
炭 「 ? 」
全然違ェ
Aの時と。
あいつとこんくらいの距離にいると、ドキドキ心臓がうるせーし、顔はあちぃのに
こいつらには全く何にも思わねぇし感じねぇ。
同じ距離なのに、何が違うってんだ
「 ドキドキも、きゅんっとクくる変なアレも、何もねぇな… 」
善 「 は? 」
そいつの胸ぐらを離して、普通の距離に戻る
うーん? と首を傾げる俺を不思議に見つめたそいつらも同じように首を傾げた
善 「 伊之助何かあったの? 」
炭 「 いや、俺もよく分からない 」
こいつらといる時と、Aといる時と、心臓の早さが全然違ぇ
スキだって思うアレも、違う
「 オイ教えろ! 俺のこの気持ちは一体何なんだよッ!! 」
善 「 うわっ! 吃驚したなぁもう!
さっきからお前変だぞ!? どうしたんだよ 」
炭 「 どこか悪いのならしのぶさんに… 」
「 どこも悪くねェよ! 」
どっか悪ィわけじゃねぇよ
どこも悪くねぇから分かんねぇんだ
この気持ちの正体が
「 お前らといるとドキドキしねぇし、きゅんっともこねぇ!! 」
善 「 ハァ!? いや当たり前じゃない!? 」
「 スキだって無意識に考える事もねぇ!! 」
善 「 そうだろうね!? いやでも何かそれはそれで悲しいわッ 」
コレは、今まで誰にも抱いたことのない新しい俺の知らねー感情だ
炭 「 つまり、伊之助は何が言いたいんだ? 」
「 …お前らとあいつの何が違うってんだよ 」
炭 「 あいつ? 」
「 AだAッ!! 」
Aにしか抱かねぇ感情に、俺はずっと振り回されてんだ
近くにいてもいなくても、ずっと脳内あいつがぐるぐるしてやがる
一緒にいるとドキドキ心臓がうるさくて、
善 「 Aちゃん?
……あー、伊之助、もしかしてやっと気づいたのか 」
「 ハァ? 何にだよ 」
善 「 お前、Aちゃんの事好きなんだろ 」
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しゃび(プロフ) - 羅門茶.さん» コメントありがとうございます。一気読みしていただけて嬉しいです!伊之助が大好きなのでその気持ちを爆発させて書いた小説なので個人的にも思い入れの深い作品になっています。嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年6月1日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
羅門茶.(プロフ) - 素晴らしい作品で一気読みしてしまいました(T ^ T)この作品大好きです、、 (2020年5月23日 15時) (レス) id: efacd8ff92 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Znさん» コメントありがとうございます。恋愛に対して不器用で可愛らしい伊之助を書きたかったのでそう言って頂けて嬉しいです...!嬉しいお言葉ばかりありがとうございます。他の作品も拙いものばかりですが少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年3月10日 10時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Zn(プロフ) - 本当に素晴らしい作品に出会いました!!もう毎話毎話伊之助の可愛さに震えてました、、他の小説も読んで見ようと思います。 (2020年3月8日 21時) (レス) id: 5d97af5082 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 饅頭さん» コメントありがとうございます。神だなんて勿体ないお言葉ありがとうございます...!思い出深い作品なのでそう言っていただけてとても嬉しく思います。完結してる作品ですが、暇な時にでも読み返して貰えたら幸いです! (2020年3月2日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年2月7日 18時